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2018年7月25日(水)

きょうの潮流

 41・1度。ついに、埼玉・熊谷で国内の最高気温を更新した記録的な暑さ。気象庁が「一つの災害」と危機感を募らせる連日の猛暑は、各地で深刻な状況をもたらしています▼先週1週間に熱中症で病院に運ばれた人は全国で2万2647人。このうち65人が亡くなり、消防庁が統計を取り始めてから最多となりました。炎暑はしばらく続きそうで、命を守るため慣例にとらわれない対応が迫られています▼まさに日本が災害レベルの酷暑におそわれているこの時期に、2020年東京オリンピックが開かれます。命の危険が叫ばれるなかで、世界中から集まるスポーツの祭典を開くとは。選手や観客の安全を心配する声は高まっています▼打ち水や冷風機、温度上昇を抑える路面舗装。大会組織委や都が示す暑さ対策はどれも付け焼き刃で、一部の競技時間を少し早めたところで根本的な問題解決には至りません▼「アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」といって招致した開催地の責任が問われます。テレビの都合を優先させてきたIOCの罪も。過去には9月や10月に開催された夏季五輪もあります。ことは人命にかかわるだけに再考を促したい▼2年後に迫ったと浮かれている場合ではないでしょう。暑さに加え、大会経費も膨れ上がっています。最高の舞台で選手が力を尽くす姿は人びとの心を揺さぶり、人間賛歌を呼び起こします。その舞台づくりがこのままでは五輪史に汚点を残すことになりかねません。


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