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2018年7月21日(土)

きょうの潮流

 巨大なさまを示す言葉に「メガ」があります。メガシティーといえば巨大都市のこと。食事で超大盛りを「メガ盛り」と呼ぶこともあります▼単位の世界共通ルールである国際単位系によると、メガは100万を指します。ギリシャ語で「大きい」を意味する「メガス」が由来だそうです▼米誌が「メガデス」という単位を取り上げていました(『ニューヨーカー』5月24日電子版)。著者は核兵器事故に関する著書でも知られるジャーナリストのエリック・シュローサー氏▼核兵器の重要情報の多くは機密扱い。公の場で議論されるときは国民に不安を抱かせる用語は避けられがちだ。でも核兵器の意味を偽りなく示す用語がある。核戦争の死者数を図る単位「メガデス」だ。1メガデスで100万人の死を指し、「10メガデスは1千万人の殺害を意味する」▼1月に米科学誌は地球滅亡までの時間を概念的に示す「終末時計」の残り時間を過去最短の「2分」と発表。米朝の挑発的な言動が「核戦争の可能性を高めている」と警告しました。河野太郎外相は当時、核兵器禁止条約に入らない理由に北朝鮮情勢をあげ、「条約に参加すれば、米国による核抑止力の正当性を損なう」と答弁しました。「核には核で」という「メガデス」の論理です▼南北、米朝の首脳会談を経て、朝鮮半島で平和の激動が始まっています。被爆国の政府の姿勢が問われています。平和の扉が開かれつつある今も、米国の核抑止力に頼り、禁止条約に背を向け続けるのかと。


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