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2018年7月13日(金)

きょうの潮流

 働き方についての学習会で塗装業者の方の話を聞く機会がありました。朝5時には起きて仕事の段取り、夜は事務所で打ち合わせ。厳しい単価。「金銭的にも時間的にも余裕がほしい」。いま日本で働く人々の共通した思いでしょう▼本紙調査によると今年3月期に上場企業で1億円以上の報酬を得た役員は530人を超えて過去最高になりました。最も高い報酬額はソニー前社長の27億円。一般労働者とのあまりの格差にあぜんとさせられます▼「貧しい人々と、特権階級と化した一握りのスキャンダラスな超金持ちとの間の許しがたい格差をなくすための経済改革が必要だ」。レジスタンス運動に参加し、世界人権宣言の起草に携わったステファン・エセルは2011年に出した著書でこう訴えました▼13年に亡くなったエセルは“貧富の異常な格差”に怒りをぶつけようと呼び掛け続けました。すべての人間は尊厳と権利において平等であり、豊かに生きる権利を持つ。世界人権宣言の理念が世界中に広がる貧困と格差でむしばまれている現実に強い危機感を感じたのでしょう▼大企業役員の高額報酬の多くは、自社株の配当収入などによるものです。極端な収入格差は株高政策や法人税の引き下げなど大企業・富裕層を優遇する政策の結果です。自然現象ではありません▼国民のだれもがいつ貧困に陥ってもおかしくないような格差社会に安定的な発展は期待できません。いまこそ貧困と格差をただすために経済政策の大転換が必要な時です。


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