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2018年7月10日(火)

きょうの潮流

 水はすべての命の源であり、文明の基礎です。しかし、ひとたび流れが変われば容赦なく命を奪っていく…。7年前の東日本大震災もそうでしたが、先週から西日本を中心に大きな被害をもたらした豪雨災害でも、改めて痛感せずにはいられません▼会話も聞こえないほどの豪雨が数時間から十数時間続き、各地で土砂崩れや河川の氾濫による家屋浸水をもたらしました。死者・行方不明者は時間とともに増え、被害の全容はいまだに分かりません▼筆者は、甚大な被害が出た広島県で生まれ育ちました。実家は無事でしたが、付近では多くの犠牲者が出ました。土砂崩れや冠水で交通網が寸断され、陸の孤島に。通行止めが解除された一部の道路も大渋滞し、物資が届きません。断水も続きます。豪雨が去った後は飲み水がなくなるという不条理▼実家もそうですが、広島県は平地が少なく、山の斜面を削って造成された住宅地が数多く存在します。4年前には広島市内で土石流が住宅地を襲い、77人が死亡しました▼しかし、広島県には土砂災害警戒区域が推計で全国最多の約5万カ所もあり、抜本的な対策を取るには、4年は短すぎました。自然災害のサイクルは確実に短くなっています。日本はいつ誰が被災者になっても不思議ではない時代に入りました▼今週は全国的に気温が上昇します。被災者の体調管理やライフラインの復旧を急ぎつつ、防災・復興の両面で従来の延長線上ではない施策を講じること。いま政治の最重要課題です。


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