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2018年7月8日(日)

主張

「TPP11」の成立

発効を許さない共同の運動を

 安倍晋三政権が、環太平洋連携協定(TPP)から離脱したアメリカを除く、11カ国による新協定(TPP11)の批准承認と関連法の成立を強行しました。新協定も、農業や国民の暮らし、食の安全、地域経済に重大な影響を及ぼすもので、国のあり方そのものを変えます。異常に短い期間の国会審議で承認、成立させたのは断じて許せません。

TPP以上の打撃に

 TPP11は、アメリカを含む12カ国のTPPが、トランプ米政権の離脱で発効不能になる中、安倍政権が主導して、11カ国で復活させたものです。もともとTPPは、各国の経済主権・食料主権を侵害し、国民の暮らしや権利を犠牲にして、多国籍企業の利益を最大化するものでした。

 TPP11は、TPPのごく一部を「凍結」したとはいえ、農業をつぶし、暮らしや主権を脅かす危険な本質はいささかも変わりません。それどころか農業への打撃では、TPP11に参加しなかったアメリカからの圧力も加わり、TPP以上に危険があることが国会審議を通じて明確になりました。

 安倍政権は、11カ国での妥結を最優先し、TPPへのアメリカの参加を前提とした乳製品の低関税輸入枠などにも修正を求めませんでした。TPPの輸入枠は、オーストラリアなど他の輸出大国で満たされることになるため、機会を失うアメリカの農業団体が不満を募らせ、それを背景にトランプ政権が圧力を強めるのは必至です。

 7月下旬にもスタートする「日米通商協議」などでアメリカが対日強硬姿勢をあらわにするのは目に見えます。安倍首相は「農業でこれ以上の譲歩はない」といいますが、TPP交渉で重要農産物は「除外」とするとの国会決議を投げ捨てた“前歴”を見れば、そんな約束は信用できません。TPP11が発効しても、農業生産は減らないとの「影響試算」でごまかし、まともな審議も保障しないで成立を急いだ政権のやり方にも、反国民的な姿勢は浮き彫りです。

 安倍首相は、TPP11は「自由貿易を守る」ためであり、政権が掲げる「成長戦略の柱」だといいます。日欧経済連携協定(EPA)にも近く署名し、年内合意をめざす東アジア地域包括的経済連携(RCEP)でも、TPP水準の貿易ルールを押し付けようとしています。こうした「自由貿易拡大」一辺倒の路線では、大企業の輸出や海外での投資が増えても、国内では農業が衰退し、貧困と格差が拡大します。首相の「成長戦略」は、国民の「99%」を犠牲にした政策にほかなりません。

安倍政権に退陣を迫る

 こんな政治が続く限り、日本農業の存立基盤は決定的に狭められ、大企業の利益のために国民の暮らしも、雇用や医療もますます脅かされます。

 多国籍企業の利益優先のルール押し付けは、各国で矛盾を広げ、国民の運動が発展しています。日本でもTPP反対の国民的共同がかつてない規模で広がりました。

 TPP11の国内手続きが完了した形になったいま、こうした内外の運動と共同を広げ、発効を許さないたたかいが重要になります。その保障はあらゆる分野で暴走を繰り返す安倍政権を市民と野党の共同で倒し、国民本位の政治を実現することです。


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