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2018年7月7日(土)

原発推進勢力と協調狙う

エネルギー基本計画 笠井政策委員長が批判

「原発ゼロ基本法案」制定めざす

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(写真)記者会見する笠井亮政策委員長=6日、国会内

 日本共産党の笠井亮政策委員長は6日、国会内で記者会見し、原発推進の「第5次エネルギー基本計画」(3日閣議決定)について、国民の声を無視し原発利益共同体の要求を積極的に聞く「対話」の仕組みを重視するものだと批判しました。

 笠井氏は、基本計画が「国民各層との双方向的なコミュニケーション充実」を掲げながら、意見公募(パブリックコメント)の件数や賛否の傾向は閣議決定前日の午後6時まで公表せず、国会にも報告されなかったと指摘。他方で、原子力事業者が原子力規制委員会との積極的な意見交換を行う「新たな組織」の設立を挙げているのは、「原発ありき、再稼働ありきで、国民とではなく原発推進勢力との双方向的なコミュニケーション充実を図る計画に他ならない」と強調しました。

 この「新たな組織」とは、東京電力など11原子力事業者や三菱重工、日立などの原発メーカー、電気事業連合会などが1日に発足させた「原子力エネルギー協議会」(ATENA、理事長=門上英・三菱重工業特別顧問)のことで、「原発利益共同体」の代表者が規制当局への意見伝達や制度づくりに関与し、意見表明や政治・行政との調整を行う狙いを示しています。

 笠井氏は「東電福島原発事故の教訓にまったく逆行する」と批判。(1)原子力規制委に対する圧力団体となって規制を骨抜きにし(2)規制委の独立性を阻害し(3)規制当局が電気事業者の虜(とりこ)となっていた構造を復活させるものに他ならず、経済産業省が新組織づくりを主導し、規制委が後押ししたと指摘。「エネルギー基本計画で新組織を位置づけるなど断じて許されない」と批判しました。

 その上で、「どちらを向いた計画なのかを含め、国会に対して報告し議論すべきだ」と主張。国民の願いをまとめた「原発ゼロ基本法案」(立憲民主党、日本共産党、自由党、社民党の4野党提出)の制定で、原発ゼロの日本を実現するため全力を尽くすと表明しました。


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