しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月17日(日)

きょうの潮流

 永遠のヤングマン、西城秀樹さんが亡くなってから1カ月がたちました。63歳の早すぎるスター歌手の死は、いまも人びとの口にのぼっています▼「核兵器の怖さだけでなく、被爆したことが、あとあとまで人間を苦しめていく怖さが描かれている作品。ぜひ知ってほしい」。デビューから12年。次々にヒット曲をとばし一時代を築いていた西城さんは、長編アニメ映画「黒い雨にうたれて」に声で出演しました▼被爆2世の青年役。自身も広島で生まれ育ち、二度とあんなことをさせてはいけないという気持ちで引き受けたといいます。日本共産党が出していた『グラフこんにちは』(1984年9月号)で当時の心境を語っています▼反核への意思はこの人も。大阪・登美丘高校ダンス部が昨年使用したことで再ブレークした「ダンシング・ヒーロー」。バブル期の定番となった曲を歌った荻野目洋子さんは2011年の原水爆禁止世界大会に賛同を寄せています。結婚し、三女を出産した後でした▼先週の本紙日曜版では映画「返還交渉人」に出演する女優の戸田菜穂さんが、作品を通して戦争のむごさを伝えたいと。原爆直後の広島で被爆者の治療にあたった祖父の思いも受け継いで▼西城さんが「黒い雨―」に名を連ねたのは人間としての自分を大切にしたいと感じていたから。政治や社会について芸能界で言葉を発するのは勇気がいること。それを拾うメディアも少ない。うわべの評価だけではない、人としての彼らの声に耳を傾けたい。


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