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日本共産党

2018年6月7日(木)

私立中高 経済的理由の退学増

私教連 就学支援の拡大要求

 全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は6日、2017年度に私立中・高校を経済的理由によって退学した生徒の状況と学費滞納調査の結果を発表しました。経済的理由で私立中・高校を中退した生徒数・率は中・高ともに増加に転じた一方、3カ月以上の学費の滞納生徒数・率は中・高ともに1998年の調査開始以来最低の水準でした。

 調査は高校が34都道府県303校(生徒数26万1184人)、中学が25都府県の129校(生徒数4万9531人)の回答。

 「3カ月以上の滞納が減った」一方で、中退者が増えていることについて、全国私教連は「これまで経済的な理由で私立高校進学を断念していた生徒が、多く入学してくるようになった」とし、「生徒の家庭の経済状況が好転したとはいえない」と説明。就学支援金制度の見直しにあたっては、授業料のみとなっている支給対象に施設設備費を加えることや、所得制限を撤廃して全世帯を支給対象とすること、自治体加算世帯の拡大などを要求しました。

 滞納・中退の事例には「入学してまもなく母親が仕事をやめ、生活していくのも精いっぱい」「生徒のアルバイト代が生活の支えとなっている」など、詳しい記述が多くあります。

 「誰でも安心して学ぶことができる社会であれば、彼はあんなつらい思いをしなくてよかったはず」と記入した教師も。調査からは、中退に至らなくても厳しい生徒たちの家庭状況が浮かび上がっています。


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