しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年5月31日(木)

きょうの潮流

 「ゲゲゲの鬼太郎」のテレビ放送が始まったのは半世紀前。それから何度もアニメ化され、いま6回目のシリーズが日曜午前に民放で放映されています▼さまざまな社会問題を織り込んだ今回は、おとなにも評判が高い。最新話は「河童の働き方改革」。IT系のブラック企業に、ねずみ男が働きもののカッパをあっせんする。キュウリ3本の時給に喜びながら、酷使されるなかで自分たちが搾取されていることに目覚めていく▼労働環境の改善や賃金アップを要求するカッパに、社長は「人間には労働基準法が適用されるがカッパには適用されない」と。視聴者からは、みずからの境遇を重ね合わせた共感の声が寄せられています▼政府・与党はきょうにも衆院本会議で「働き方改革」法案の採決強行をねらっています。残業代ゼロで働かせ放題、1日24時間・48日間連続勤務も合法という高度プロフェッショナル制度。世界でも異常な過労死を促進するばかりか、会社に責任も負わせない究極の搾取です▼いったん制度化されれば、ブラック企業によって「専門職」が偽装され、違法に高プロを適用される労働者が後を絶たず、際限なくひろがっていくことになるはず。なにしろ、虚偽のデータで法案を押し通す政権のやることですから▼忙しすぎると、ひとは心をなくしていくと諭す目玉おやじ。自分たちの権利を主張するために立ち上がるカッパたちの姿。それは人間らしく働き生きたいと願う人びとの思いを暗示しているのかもしれません。


pageup