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2018年5月29日(火)

気象庁計画 夜の気象台 人員縮小

国の公務員定数削減で

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(写真)気象庁=東京都千代田区

 国が公務員定数の削減を進める中で気象庁が、全国に50カ所ある地方気象台の夜勤業務について人員削減を計画していることが、本紙の調べで分かりました。削減で観測体制が弱まることに、不安の声が上がっています。

 現在の夜勤業務は2人体制です。気象庁は、天候・気象状況に異常が全くない平時の人員配置を1人体制に変更することを検討しています。肉眼で昼夜行っている目視については、機械化が可能なところは機械化を進めるとしています。

 夜勤では、昼間と同じように気象状況を観測し、必要に応じて自治体に情報を提供しています。雲や大気現象などは観測者が目視で行っています。現在の2人体制では、1人が予報官で、もう1人が補佐をします。災害発生時の避難勧告は、自治体の首長が下すことになっており、その判断根拠となる情報は、気象庁が提供します。

 気象庁は、防災のため自治体と一体となった取り組みを進めています。国が人員を増やさない中で、夜勤業務などを削減し、人員を別の業務にあてる形です。

 国土交通労働組合の宮﨑高明中央執行副委員長は、人員削減になれば技術継承の面に大きな問題が出かねないと強調。「気象庁は、現場に入りながら技能を身に付けることが基本です。夜勤が1人になれば、熟練の職員から技術指導を受けることが困難になりかねない」と懸念します。

 また宮﨑氏は、目視観測の機械化を進めることについて、「最新式で高性能なカメラを導入するというが、急な発雷などカメラではわからない部分が存在する」と、指摘しています。

 (井上拓大)


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