しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年5月15日(火)

大学アメフット危険タックル問題

日大は説明責任果たせ

「ルール順守」の信頼関係損なう

 アメリカンフットボールの試合で、日本大学の守備選手が関西学院大のクオーターバック(QB)の選手に行った悪質なプレーが波紋を広げています。また、当の日大の監督がこうしたラフプレーを容認するような発言をし、いまだに謝罪もしていません。激しい身体接触を伴うスポーツの根幹を揺るがす事態となっています。

「危険かつ悪質」

 アメフットではパスを投げ終えたQBにタックルすることは禁止されており、故意ではない場合でも反則となります。今回の行為ではパスを出して少なくとも2秒以上たったあとにタックルしています。故意に無防備な相手を倒したと疑われても仕方のない悪質なプレーでした。関学大の選手は、ひざ軟骨損傷と腰の打撲で全治3週間の診断を受け、その後に左脚のしびれも訴えており、全治までの期間が延びる可能性もあるといいます。

 しかし、試合後に日大の内田正人監督は「厳しくプレッシャーをかけている。攻めてたたかわないと。あれぐらいやっていかないと勝てない」と発言したと報じられています。

 関学大アメフット部の鳥内秀晃監督は12日の会見で「選手を傷つけることだけを目的とした、意図的で極めて危険かつ悪質な行為」と強く批判しました。

 同日、日大は関西大と試合をしましたが、会場に内田監督は現れず、その理由も「ノーコメント」。悪質な行為の説明を避けるために「雲隠れ」するような態度です。

 関学大は日大に対して抗議文を送付し回答を求めていますが、14日までに回答は得られていないといいます。

 日大は、ホームページ上におわびを掲載し、「今後はこのようなことがないよう、これまで以上に学生と真摯(しんし)に向き合い指導を徹底してまいります」とコメントしています。しかし、危険なプレーについての見解は語られていません。

抗議文に回答を

 アメフットは激しいぶつかり合いでけがの危険も少なくない競技です。だからこそ、相手がルールを守ってくれるという信頼関係の上に成り立っています。今回の一件はその前提を著しく損なうものです。

 日大は抗議文に回答し、危険行為が行われた経緯と監督の指導について説明する責任があります。関東学生連盟はそれを踏まえて、厳しい再発防止策を打ち出してほしいと思います。(山崎賢太)


pageup