しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月4日(金)

きょうの潮流

 「平和国家建設」。敗戦翌年のお正月、多くの子どもたちが学校の書き初めでしたためました。戦争中心の国家から平和をめざす国家へ。その導きになったのが日本国憲法でした▼国民が「平和のうちに生存する権利」を前文でうたい、9条で戦争放棄と戦力の不保持をかかげた国への大転換。しかし憲法施行から7年後に発足した自衛隊は新しい日本の姿を揺るがしてきました▼自衛隊の演習による騒音に苦しむ酪農家が通信回線を切断した恵庭事件。ミサイル基地建設に反対する住民が訴えた長沼ナイキ事件。そしてイラク自衛隊派遣から沖縄の米軍基地まで。先日のNHK・ETV特集は9条をめぐる裁判を追いました▼すべての国民に憲法が保障した平和に生きる権利。それを脅かす軍隊や米軍基地の存在。半世紀におよぶいくつもの裁判は、一人ひとりの人権から平和をとらえ直していく試みだったと。それは今もつづいています▼なんとしても9条に自衛隊を明記しようとたくらむ安倍首相。国民の7割が9条を評価し、安倍政権下の改憲に6割近くの人々が反対しているのに。民意とは裏腹に熱に浮かされたようにしがみつく。憲法を語る資格さえないのに▼市民と野党が結集した東京の5・3集会。憲法学者の山内敏弘さんは「戦争の準備ではなく、私たちは平和の準備をしよう」と呼びかけました。改憲を許さないたたかい、保障された権利や自由を守る不断の努力。世界に誇れる私たちの憲法は、それだけの価値をもっています。


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