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2018年4月12日(木)

米軍横田基地 密集地で3000メートル急降下訓練

中学校パラシュート落下事件 きょう訓練再開

 横田基地(東京都多摩地域)に近い羽村市の市立羽村第三中学校に米軍のパラシュートが10日に落下した際、米軍が最前線や敵対勢力の支配地域にひそかに侵入する降下訓練をしていたことが11日、平和団体の監視活動などからわかりました。中学校と横田基地の間には国道16号やJR八高線のほか、住宅も密集し、人命にかかわる重大事故につながる危険がありました。米軍は同日、12日から訓練を再開すると発表しました。

 11日に防衛省北関東防衛局が周辺自治体に情報提供した米軍の説明では、降下した隊員が「異常を感じたため、パラシュートの一部を切り離す措置をとった」と説明。10日の米軍横田基地広報部の報道発表でも「降下中に切り離した」と明らかにしています。

 羽村平和委員会は、事故発生と同時間帯午後4時20~40分ごろに8人が降下したのを確認。高度約3000メートルで降下を開始し、低い高度でパラシュートを開く高高度降下低高度開傘(HALO)の訓練でした。HALOは、特殊部隊が地上の敵からの発見・攻撃を避けて侵入するための危険で高度な技術が必要な降下方法です。

 横田基地では、2012年1月以降、沖縄に駐留する米海兵隊偵察部隊や陸軍特殊部隊「グリーンベレー」がHALOを含むパラシュート降下訓練を頻繁に実施。空軍特殊作戦機CV22オスプレイ配備など、横田基地を特殊作戦の拠点にする動きが強まっています。

 高橋美枝子・横田基地の撤去を求める西多摩の会代表は「先月ハワイで、米陸軍のヘリが訓練中に小学校の敷地に40キロの荷物を落とす事故がありました。横田基地でもこういうことがあるかもしれないと思っていた矢先の事故。CV22オスプレイが飛来し、それに乗る特殊部隊の兵士が12年以来、横田基地で繰り返し危険な降下訓練をしていることを、都民や全国に知らせていきたい」と話します。


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