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日本共産党

2018年3月27日(火)

論戦ハイライト 参院予算委 井上議員

外相、発言否定できず

日本政府が核削減反対

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(写真)安倍首相らに質問する井上哲士議員(右)=26日、参院予算委

 26日の参院予算委員会で、米トランプ政権の新たな核戦略を「高く評価」する安倍政権を批判した日本共産党の井上哲士議員。日本政府が米国の核削減に反対し「核軍縮の妨害役」となってきたことが米側の資料で明らかになっているとして、国是の「非核三原則」に反する重大事態だと追及しました。

 井上氏は、トランプ政権が新たな「核態勢の見直し」(NPR)で、小型核兵器の配備を進め、オバマ前政権にはなかった、通常兵器に対する核使用の検討などを明記したと指摘。核不拡散条約(NPT)再検討会議で合意した「核兵器の完全廃絶への核兵器国の明確な約束」にも逆行すると述べ、「高く評価」した政府を批判しました。

 井上氏は、オバマ前政権が「核兵器のない世界」を模索していたなか、日本政府が米国の核削減に反対していたことを追及。2009年2月25日の米議会戦略態勢委員会の意見聴取の「概要メモ」を示し、在米日本大使館の秋葉剛男公使(現・外務事務次官)が、核弾頭の最新鋭化や小型核兵器まで促していると指摘しました。

 河野太郎外相は「どのようなやりとりかは対外的に明らかにしない」とのべ、否定できませんでした。

 さらに、米科学者団体「憂慮する科学者同盟」のグレゴリー・カラーキー氏が明らかにした、同委の意見聴取の参加者によるとみられる手書きメモを紹介。シュレジンジャー副議長(元国防長官)が「兵器ぬきの沖縄への核貯蔵庫については?」と尋ねると、秋葉氏は「私には説得力があるように聞こえる」と答えたと記しています。

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(写真)グレゴリー・カラーキー氏が入手した日本からの意見聴取の手書きメモ

 井上 秋葉氏の「説得力がある」との発言は政府の方針に反する。日本側の記録とともに、米側にも関連資料の開示を求め、国会に提出すべきだ。

 河野外相 「非核三原則」に反する発言や、沖縄の核貯蔵庫の建設を是認するような発言はしていない。

 井上 「非核三原則」にかかわる重大問題だ。資料提出を求める。

 河野外相 対外的に公表しない前提で行われた会議だ。公表は差し控えたい。

 井上氏は、これに対してカラーキー氏が「間違っている。『米平和研究所』に全ての記録があり、日本側がOKと言えば開示できるものだが、日本の外務省が情報開示してほしくないと言っている」と述べていることをあげてただしました。

 井上 外務省は情報提供しないよう要請しているのか。

 河野外相 非公開とすべく働きかけた事実はない。

 井上 機密情報ではなく、外務大臣が開示を求めれば開示できる。これは過去の問題ではない。当時、協議した駐米公使がその後も米国の核問題の協議にかかわり続け、いま事務次官だ。

 井上氏は「国民の声に反して核削減に反対し、非核三原則に反する協議が続き、トランプ政権の核軍備拡大の戦略にもつながっている」と指摘。「国民に明らかにする姿勢がないのは、森友・加計疑惑などの隠ぺいと同じだ」と批判した上で、秋葉氏の委員会への出席、戦略態勢委員会に提出した日本のメモなどの提出を求めるとともに、米国に関連資料の提出を要請すべきだと主張しました。


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