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2018年3月27日(火)

きょうの潮流

 「浅見光彦」は亡くなった内田康夫さんが生み出した名探偵でした。100冊をこえるシリーズは、たびたびドラマ化されるほどファンも多い▼内田さんは小説の中で光彦の父を大蔵省の高級官僚として描いています。厳格で清廉な畏敬の父。国の将来のために尽くした人物として。それは、政官財の汚職や不正を小説に織り込んだ作家の理想像だったのかもしれません▼いま財務省の決裁文書改ざんで連日答弁に立つ太田充・理財局長。先日、色をなして反論する場面がありました。安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているんじゃないか。そう迫った自民議員に「それはいくら何でも」を連発して▼矢面に立って政権を守っているのに後ろ矢を射られた怒りか。違和感を覚えたのは「私は公務員として、お仕えした方に一生懸命お仕えするのが仕事」と口にしたとき。憲法にあるように公務員は「全体の奉仕者」であって、一部の人のためにあるのではないはず▼きょう森友問題のキーマンの1人、佐川宣寿・前理財局長が証人喚問されます。誰かのために口を閉じるか、国民のために真実を語るか―。加計問題で「総理のご意向」を証言した前川喜平・前文科事務次官は佐川氏にとっても本当のことを話したほうがこれからの人生を生きやすいと▼今回の問題では国民を欺いたままで解散した昨年の森友隠し選挙の正当性も問われています。生前、内田さんは政治の暴走を憂えていました。巨悪を許さない、ひとりの市民として。


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