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2018年3月16日(金)

主張

「森友」文書ねつ造

責任追及、昭恵氏喚問は不可欠

 安倍晋三政権が国会の求めに応じて提出した「森友」疑惑関係の資料が、約300カ所も削除・改ざんされていたことは、行政府がねつ造した資料で立法府を欺き、三権分立の原則も議会制民主主義も破壊した大問題です。にもかかわらず安倍首相や麻生太郎財務相は財務省理財局に責任を押し付けています。与党は佐川宣寿前理財局長の証人喚問を行う姿勢を示したものの、首相の妻、昭恵氏の国会招致は受け入れようとしません。安倍政権の責任を明確にし、昭恵氏の証人喚問で「森友」疑惑の真相を明らかにすることは、日本の民主主義にかかわります。

総辞職に値する大問題

 削除・改ざんする前の、「森友学園」への国有地貸し付けや売却の際の決裁文書を国会に提出した後も、安倍政権は「書き換えは理財局の一部の職員によって行われた」(麻生氏)などと、内閣の責任を免れようとしています。「佐川の答弁に合わせた」(同)などと呼び捨てにして、理財局だけを“悪者”に仕立てる狙いです。

 しかし文書がねつ造されたという昨年2~4月は、直前に発覚した「森友」疑惑への首相や昭恵氏の関与が大問題になり、首相が「私や妻が関与していれば首相も国会議員もやめる」と答弁(2月17日の衆院予算委員会)した直後です。

 発端は首相答弁であり、佐川氏の答弁や資料のねつ造はそれをとりつくろうためです。首相答弁の後、理財局の元幹部が「どう整合性をつければいいのか」と悩んでいたことを、あるジャーナリストも昨年の月刊誌で紹介していました(『世界』11月号)。

 しかも削除・改ざんされた中には、籠池泰典「森友」前理事長が属していた「日本会議」の関連団体の「副会長」を安倍首相が務めていたことや、昭恵氏が籠池氏とともに小学校建設予定地を視察し「いい土地ですから、前に進めてください」と激励したなどの記述もあります。資料の削除や改ざんは佐川氏の答弁に合わせたものと言えないことは明らかです。

 だいたい一官僚にすぎない理財局長やその部下が、大臣や首相官邸と事前のすり合わせもなく国会答弁したり、公文書である決裁文書を削除・改ざんして国会に提出したりするなどということはあり得ません。すべての責任を佐川前局長や理財局に押し付けるのは無理があります。

 憲法は立法、行政、司法の三権分立を原則とし、国会の「国政調査権」を認めるとともに、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ」(66条)としています。問われているのは内閣全体の責任であり、国会と国民を愚ろうした安倍内閣は総辞職すべきです。

疑惑解明は国会の役割

 佐川氏の国会招致を拒み続けられなくなった安倍政権が、あくまでも昭恵氏の証人喚問を拒否しているのは言語道断です。「森友」が開設しようとした小学校で「名誉校長」を務め、たびたび相談に乗り、首相夫人付き政府職員を通じ財務省に問い合わせまでしていた昭恵氏に国会で直接問いただすことこそ疑惑解明の核心です。公開された資料には、政府職員のことなどは書かれていません。

 責任の追及とともに、昭恵氏を証人喚問して疑惑を解明してこそ、国会の役割が果たせます。


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