しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月15日(木)

きょうの潮流

 水戸黄門や遠山の金さん、大岡越前。有能で清廉な役人による勧善懲悪の世界。現実からかけ離れた姿に理想を重ねるのか、彼らのドラマは人びとを魅了してきました▼日本の官僚は政権の指示に従って余計な口をはさまず、実務をこなしていればいいという意見が一般的―。キャリア官僚だった古賀茂明さんの弁です。いまや“葵(あおい)の御紋”を振りかざしているのは安倍首相や官邸で、森友も加計も政治の力なしにはできないと▼福田康夫・元首相も「各省庁の中堅以上の幹部はみんな官邸を見て仕事をしている」として、「恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」と断じています。政権の人事権の乱用がこうした事態を招いているとの指摘も多い▼財務省はもちろん、改ざん前の文書を持っていた国交省、二つの文書の存在を知っていた会計検査院。そして安倍首相の腹心の友が理事長を務める加計学園の獣医学部新設を認めた文科省。いかに「総理のご意向」や「忖度(そんたく)」が省庁全体を覆っているか▼国の歩みを記録する公文書は歴史の検証を受ける役割も担っています。正しく伝えていくことは未来の国民の財産にもなるはず。それを改ざんすることは今の国民を欺くと同時に、偽りの歴史を将来に受け渡すことになります▼民主主義や歴史が壊される、こんな政権は許さない―。いま国会前で全国で響きわたる国民の怒りの声。いつの時代も、役人が善を行い、悪をこらしめることができるのは、真実や正義をもとめる民の姿があるからです。


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