しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年3月13日(火)

主張

「森友」文書改ざん

国会を愚ろう 内閣は総辞職を

 学校法人「森友学園」に国有地が格安で払い下げられた問題をめぐり、国会提出資料などが改ざんされていた疑惑を財務省がようやく認めました。国会提出資料の改ざんは公文書偽造などの罪に問われるだけでなく、「国権の最高機関」である国会と国民を愚ろうするものです。「森友」問題では先週末に発覚当時の財務省理財局長だった佐川宣寿氏が国税庁長官を辞任しましたが、それで済む問題ではありません。安倍晋三首相をはじめ、国会を欺いてきた内閣は総辞職するとともに、佐川氏や首相の妻、昭恵氏を国会喚問し問題の全容を解明すべきです。

「三権分立」に反する

 財務省が認めた文書の改ざんは、国有地の買い付けに関する決議書が二つ、売買に関する決議書が一つ、特例に関する稟議(りんぎ)書が二つ、これらに付随する文書が九つです。改ざんは昨年の問題発覚後とされ、経過など詳細は引き続き「調査中」だといいますが、国会提出資料などの大量の改ざんが明らかになった以上、内閣の責任は免れません。これだけの改ざんがとても佐川氏個人の判断でできるはずはなく、財務省・政府ぐるみの疑いは濃厚です。改ざん疑惑が最初に報道されて以来、麻生太郎財務相が元資料の存在を確認せず、安倍首相が財務省任せの姿勢を取り続けてきたことも重大です。

 憲法は立法、行政、司法の「三権分立」を原則にしており、62条で「議院の国政調査権」を定めています。また国会法104条は「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない」と明記しています。議院証言法も「各議院から…証人として出頭及び証言又は書類の提出を求められたときは…何人でも、これに応じなければならない」としています。国会が要求した資料が、財務省によって改ざんされたというのは国会をないがしろにする言語道断な不正行為です。麻生財務相はもちろん、安倍首相をはじめ内閣全体の責任が問われます。

 国会提出資料などの改ざんが、森友学園への異例な国有地貸し付けや鑑定価格から9割も値引きした格安での払い下げを本件の「特殊性」や「特例的な内容」と説明したり、財務省が否定していた「森友」との価格交渉を認めたりする文言を削除する、核心に関わるものだったのは大問題です。「森友」問題は、首相の妻、昭恵氏が開設予定の小学校の「名誉校長」を務め、籠池泰典前理事長夫妻らとたびたび連絡を取り合うなど、その関与が指摘されてきました。文書の改ざんでは政治家とともに昭恵氏の名前も消されていますが、「特殊性」や「特例的」というのは昭恵氏らの関与を示唆しているのではないのか。改ざんは二重、三重に疑いを深めさせるものです。

国会喚問で全容解明を

 国会提出資料が改ざんされた以上、国会の役割はいよいよ重大です。自民党内には佐川氏は「一般人になったから」と、証人喚問を否定する意見もありますが、それは全く通用しません。

 国会提出資料改ざんの内閣の責任を徹底追及するとともに、昭恵氏や佐川氏を証人として国会へ喚問し、「森友」問題の全容を解明することこそ、国会の責任です。


pageup