しんぶん赤旗

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2018年3月13日(火)

森友公文書改ざん 財務省認める

首相夫妻の記述 全面削除

昭恵氏「いい土地、前に進めて」

 学校法人「森友学園」との国有地取引をめぐる決裁文書改ざん問題で、財務省は12日、参院予算委員会理事懇談会などに、14点の文書で数十カ所の改ざんを行っていたことを認める調査内容を報告しました。改ざんによって削除した部分には、安倍晋三首相や妻の昭恵氏、複数の政治家の名前、「本件の特殊性」などの記述がありました。6野党が財務省などに行った同日の合同ヒアリングでは、同省が会計検査院に改ざん後の決裁文書を提出していたことも判明。安倍政権が組織ぐるみで改ざん、隠蔽(いんぺい)にかかわっていた疑いがより濃厚になりました。


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(写真)改ざんで削除されていた安倍首相の妻、昭恵氏に関する記述。「首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した」(上)、「安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください。』とのお言葉をいただいた」と籠池氏が紹介していたと記載されています

 報告では、財務省は2017年2月下旬から4月にかけて、理財局が「貸付決議書」「売払決議書」「特例承認の決裁文書」を改ざんし、それを反映させる形で他の関連文書も改ざんしたとしています。改ざんは、安倍首相が森友疑惑について「私も妻もかかわっていない。かかわっていたら総理大臣を辞める」と答弁(17年2月17日)した直後から始まったことになります。

 改ざん前の文書には、森友学園の籠池泰典被告(当時=理事長)が関与していた「日本会議大阪」の連携組織の日本会議国会議員懇談会に「特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任」していたことや、昭恵氏が問題の国有地を訪問した際、「いい土地ですから、前に進めてください」と述べたという籠池被告の発言の記述がありました。昭恵氏は森友学園が開校予定だった小学校の名誉校長を務めており、「安倍首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙」などの文言もありましたが、いずれも改ざん後の文書では削除されています。

 一方、6野党合同のヒアリングでは、会計検査院が検査中に「二つの種類の文書があること」を把握していたことも判明。会計検査院に提出された文書の文言が財務省と国土交通省で違うことから、会計検査院が財務省に問い合わせたところ、「財務省から提出されたものが最終版だという説明を受けた」(会計検査院)としています。

 麻生太郎財務相は同日の記者会見で、安倍首相の答弁と改ざんとの関係について問われ、「全然関係ない」と主張。安倍首相も「なぜ、こんなことが起きたのか、全容を解明するため、調査を進めていく。麻生財務相にはその責任を果たしてもらう」として麻生財務相を続投させる考えを表明しました。

 日本共産党の辰巳孝太郎議員は同日の参院予算委員会理事懇で、「国会を欺いた罪は重い」と述べたうえで、「誰の指示で改ざんが行われたかはっきりさせないといけない」と追及し、改ざんの経過と責任の徹底解明を求めました。


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