しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月8日(木)

きょうの潮流

 毎夜、王に興味深い物語を語り、佳境に入ったところで「続きはまた明日」と。こうして命をかけ千夜にわたって物語を聞かせ続け、ついに王の悪習をやめさせた…。有名な「千夜一夜物語」を思い出しました▼対話が続く間は核実験も弾道ミサイル発射も再開しない、米国との対話の用意もある―北朝鮮が韓国との協議で表明しました。来月には板門店で南北首脳会談が開催されます▼軍事衝突の危険さえ取りざたされてきた朝鮮半島をめぐる劇的な動きです。北朝鮮は、安全の保証があれば核を保有する理由もないと、核放棄にまで言及しました。今回の南北合意は、当然のことながら世界が歓迎しています▼あのトランプ大統領も北朝鮮の表明を受けて「彼らは真剣だ」と肯定的に評価。「非常に前向きだ。(事態が改善すれば)世界、北朝鮮、朝鮮半島にとって素晴らしいものになる」とも▼こうした歓迎ムードに背を向け、いまだ寒気団にすっぽり閉じこもっているのが日本政府です。安倍首相も河野外相も、南北協議がはじまろうと「ほほ笑み外交に目を奪われてはならない」「対話のための対話には意味がない」と繰り返してきました▼対話の継続中は緊張激化の行動はとらないと北朝鮮は確約しています。ならば対話が続く間に、米朝直接の会談にまでこぎつけ、「対話による平和解決」への確かな手掛かりを探るのが、外交の筋です。それでも安倍政権は、ひとり「圧力路線の継続」にしがみつき、緊張をあおり続けようというのでしょうか。


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