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2018年3月6日(火)

流出NEM送金は系統的

 コインチェック社から流出した仮想通貨「NEM(ネム)」が「ダークウェブ」と呼ばれる闇のサイトを通じて換金された疑いのあることは、これまでも報道されています。「しんぶん赤旗」編集局には「闇サイトで流出ネムを入手した人が、たまたまザイフで換金しようとしただけでは?」との疑問も寄せられています。しかし事態はそれほど単純なものではありません。


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 まず第一に、送金は偶発的・散発的なものではなく、繰り返し、系統的に行われています。表は5日の午前中の送金状況です。おおむね40分程度の間隔で、20万~30万枚程度のネムの送金が繰り返されています。流出ネムを入手した個人がたまたま送金しただけであれば、このような系統的な送金にはならないでしょう。

同じ形の経路で

 第二にこの送金は、いずれも図1のように、「犯人」側の送金用のアドレスから、間に三つのアドレスをはさむという、同じ形の経路で行われています。

 このうち、◎印のアドレスは、1回しか使われない「使い捨て」のアドレスで、送金のたびに違うものが使われています。ザイフに直接送金しているのは、送金を代行する業者と考えられます。流出ネム以外も扱っていますが、この5日間に限れば、取り扱い枚数の99%以上が流出ネムです。

 個々の送金の状況は、図2のようになっています。「犯人」側から送金されたネムのうち、途中でかかった送金手数料を除くすべてがザイフに流れたことがわかります。

警告印あるのに

 途中の「使い捨てアドレス」には、流出ネムの動きを監視しているネム財団が、「盗まれた資産を受け取らないように」という警告の印をつけていますが、実際には、その印が付く前に再送金されてしまっています。しかし、ネムがザイフに到達した時点では、すでに印がついており、公開されているブロックチェーンを確認すればわかることです。

 この4日半の間で「犯人」側からのザイフへの送金は、ザイフが受けたネム総額の8割にものぼっています。

(仮想通貨取材班)

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