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2018年1月28日(日)

主張

首相と「もり・かけ」

ほおかむりはもう通用しない

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 国有地をただ同然の価格で学校法人「森友学園」に払い下げた「森友」疑惑、首相の友人が理事長の「加計学園」の愛媛県今治市での獣医学部開設に便宜を図ったのではないかという「加計」疑惑は、いずれも安倍晋三首相や妻の昭恵氏が絡む国政の私物化疑惑として、通常国会でも解明が求められる大問題です。「森友」に絡む財務省の記録など新たな事実も次々明らかになる中で、日本共産党など野党が説明を求めましたが、首相は「これからもしっかり説明させていく」と無責任な答弁の繰り返しです。事実を隠してきたことへの自覚も反省もありません。

財務省も記録存在認める

 昨年の通常国会で明らかになった「森友」疑惑では、払い下げられた国有地に建設が進んでいた小学校の名誉校長を務めていた昭恵氏の働きかけなどが背景になって、鑑定価格から9割も値引きされたのではないかと指摘されながら、当時の財務省理財局長が資料は廃棄したと説明を拒否し、のちに税金徴収の行政トップ、国税庁長官に栄転しました。しかしその後、払い下げる財務省側が用地からゴミが出たことにして値引きすることを提案していた、口裏合わせともいうべき音声データの存在が発覚しました。さらに最近になって大学教授の情報公開請求に、財務省が省内の検討記録が残っていたことを明らかにしました。

 資料は廃棄したから詳しい値引き経過は分からないという説明そのものが国民も国会も欺くものだったことを示す重大な事実です。

 「加計」疑惑をめぐっても獣医学部の開設は愛媛県や今治市の申請を受け「ルール」通り進めたもので、首相の働きかけなど後ろめたいことはないと説明してきたのに、事前に今治市の関係者が首相の秘書官と接触した疑いが浮上し、獣医学部の新設提案が審議された「国家戦略特区」の関連会議には「加計学園」の関係者も同席していたことが判明しました。「加計」関係者の同席は議事録からも伏せられ、安倍首相は決定段階まで「加計」の計画を知らなかったと言い張るありさまです。首相が「腹心の友」と認める加計孝太郎理事長の計画を知らなかったというのは通用しません。

 国会の代表質問では日本共産党の志位和夫委員長(衆院本会議)や小池晃書記局長(参院本会議)らがこうした事実をあげて、昭恵氏や加計氏の国会喚問を含め、説明を求めたのに、首相は具体的な中身についてさえ触れようとせず、財務省の検討記録については「今後もしっかり説明させる」などと全く関係者任せです。事実の核心を知っている昭恵氏や前理財局長、加計氏などの国会喚問にもこたえようとしません。まさに疑惑にほおかむりしてやり過ごそうという、ひきょうな態度です。

国政私物化の疑惑許さず

 「森友」疑惑も「加計」疑惑も、国民の共有財産である国有地の利用や国の権限、税金支出などが首相とその周辺によってゆがめられたという文字通り国政私物化の疑惑です。解明が尽くされないまま幕引き、疑惑が放置されるなどというのは絶対に許されません。

 安倍政権をめぐってはスーパーコンピューター開発をめぐる巨額の補助金詐取も浮上しています。国政私物化の疑惑をいささかもあいまいにすることはできません。


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