「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017年12月31日(日)

「のぞみ」走行継続

JR西 ダイヤ優先体質変わらず

福知山線事故遺族 藤崎光子さんの思い

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 新幹線「のぞみ34号」の台車に亀裂が見つかった問題で、JR福知山線脱線事故で一人娘の中村道子さん=当時(40)=が犠牲となった藤崎光子さん(78)=大阪市、福知山線事故4・25ネットワーク会員=にJR西日本の経営体質などについて聞きました。(矢野昌弘)


写真

(写真)藤崎光子さん

 博多駅を出発してから、かなり早い時点で、異臭や車内でモヤが出ていることに気づいていたにもかかわらず、運転を止めなかった。JR西日本の体質がよく現れていると思います。「運行第一」「ダイヤを乱すな」がすべてなんです。

 福知山線事故では、運転士が直前の伊丹駅で1分半遅れて、取り戻そうと速度超過のままカーブを通過しようとして事故が起きました。信楽高原鉄道事故など、この間、起きた重大事故の多くがダイヤ優先によるものです。

 JR西日本は、口では安全優先で取り組むといっていますが、福知山線事故の時と、全く変わってないのではないか。国鉄の分割・民営化した当時と比べて、労働者の数が半数近くまで減ったと聞きます。安全のために人手を割けない、安全のために運行を止めたくても、指令が許してくれない。そんな事態が広がっているのではないでしょうか。

 今回のトラブルについて、JRが説明を十分にしていない点も変わっていません。福知山線事故の遺族が、事故原因の説明を求めると、JR西日本は「個別に説明します」といいます。情報を知らせて、疑問に答えるという姿勢はありません。

 JR西日本の井手正敬元社長が「朝日」(27日付、大阪本社版)のインタビュー記事で「事故の遠因に企業風土は絶対になかった」「基本的に運転士が悪い」と、信じがたい発言をしています。怒り心頭です。

 福知山線事故でさえ、こんな認識です。このままでは「死傷者も出ていないから」と言って、JRは十分な説明もせずに、幕引きとしかねません。今回のトラブルの重大さを繰り返し訴えていく必要があります。


 JR福知山線脱線事故 2005年4月25日午前9時18分、兵庫県尼崎市のJR福知山線塚口―尼崎間で、快速電車(7両編成)が制限速度70キロを大幅に上回る時速116キロで右カーブに進入し脱線。先頭と2両目の車両がマンションに衝突しました。乗客106人と運転士の計107人が死亡。562人が負傷しました。09年に当時の山崎正夫社長を神戸地検が業務上過失致死傷罪で在宅起訴しましたが、無罪判決が確定。井手氏ら歴代の3社長は、検察審査会の議決を受け、強制起訴されましたが、今年6月に最高裁が上告を棄却。無罪が確定しています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって