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2017年12月25日(月)

きょうの潮流

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 大みそか恒例、紅白歌合戦の今年の曲目が決まりました。紅組のトリは、昨年に続いて石川さゆりさん。歌は「津軽海峡・冬景色」。40年前から歌い継がれ、聴き継がれてきた曲です▼“上野発の夜行列車おりた時から 青森駅は雪の中”。ぱっと情景が浮かぶ哀感漂う歌詞。書いたのは阿久悠でした。ポップスや演歌、アニメソングからピンポンパン体操まで、生涯で作詞した曲は5000以上。昭和歌謡の一時期を席巻した作詞家です▼「また逢う日まで」「北の宿から」「勝手にしやがれ」「UFO」「舟唄」…。70年代から大ヒット曲を飛ばし続けた阿久悠の詩は、時代の飢餓感を満たし、つねに新しいものを追い求める創造があったと評されています▼彼がみずからに課した「作詞家憲法十五条」。そこには、これまでの流行歌の本道や社会の価値観を覆そうとする強い意志が宿っています。しくしくと泣く女を、すたすたと歩く女性に換える。「どうせ」と「しょせん」の言葉は排するというように▼今年は没後10年とあって記念コンサートが開かれ、テレビやラジオからもその頃の歌が多く流れました。友情・努力・勝利をテーマに掲げた少年ジャンプが売れた熱情の時代。どこか懐かしみ、歌に共感する若者もひろがっています▼世紀をまたぎ、多様な価値観が共存する時代へ。一方で混迷さや、気持ちが伝わりづらいもどかしさも。言葉を信じ、人を愛せよ、生きる希望をと詩にこめた時代の語り部。そのメッセージは今に響いています。


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