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2017年12月3日(日)

疑惑 真正面から追及 暮らしに密着

衆参予算委 共産党の論戦

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 11月30日まで4日間開かれた衆参予算委員会。安倍晋三首相をめぐる国政私物化疑惑を真正面から追及し、切実な社会保障などの問題でも財界中心の政治のゆがみにまで踏み込んで打開策を示した日本共産党の論戦に大きな反響が寄せられました。国民の怒りを代弁した道理ある追及には、まともに答弁できない首相の姿もさらけだされました。


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(写真)日本共産党の宮本岳志議員が衆院予算委で追及した国有地売却をめぐる「口裏合わせ」について1面で報じる各紙

森友疑惑

「口裏合わせ」各紙も報道

 「疑惑追及を願う多くの国民に勇気を与える歴史的な国会質問でした」。国会中継を見た神奈川県の男性がこう絶賛したのは、森友学園に国有地が異常な安値で売却された疑惑で、売る側の国から過大な値引きの筋書きを示した「口裏合わせ」について徹底追及した日本共産党の質問です。

 宮本岳志衆院議員と辰巳孝太郎参院議員が、近畿財務局と国交省航空局、森友学園との「口裏合わせ」を生々しく示す音声データやメモを突き付けて論戦。政府に音声データの存在を認めさせた宮本氏の質問の翌日、「朝日」「毎日」などがいっせいに、1面や特集で「口裏合わせ」を報道(11月29日付)。自民党議員も「ようやく予算委員会の質問らしくなった」と感想を語るなど、注目を集めています。

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(写真)質問する宮本岳志議員=11月28日、衆院予算委

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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=11月30日、参院予算委

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(写真)質問する小池晃書記局長=11月30日、参院予算委

 「口裏合わせ」の会合では、国職員が“3メートルより下から新たなゴミが出た”として値引きの「ストーリー」を学園側に提案。財務省の太田充理財局長は答弁で、3メートルより下から出た新たなゴミの処理費の「資料提出」を学園側に求めたやりとりだと弁明しましたが、辰巳氏から実際に資料が提出されたのかと問われても具体的に示せませんでした。

 なぜ「口裏合わせ」まで行われたのか―。国と森友学園の異常なやりとりが明らかになるなか、売却交渉時に同学園小学校の名誉校長だった首相夫人・昭恵氏が、便宜を図るために関与したのか疑惑が深まっています。

 安倍晋三首相は、昭恵氏の証人喚問に背を向けたうえ、値引きの根拠が不十分とした会計検査院の指摘に対し、「各省庁が適切に判断した」と官僚に責任転嫁。「毎日」(2日付)は、辰巳氏が「一般企業で『部下のやったことは間違いだが社長の自分に責任がない』は通用しない」とただしたのに対して、安倍首相が謝罪もせず「検査院の指摘は真摯(しんし)に受け止めている」と繰り返したやりとりを写真・吹き出し付きで紹介し、「それで真摯と言えるのか」と批判しています。

加計疑惑

“加計隠し”選定 浮き彫り

 参院予算委では、日本共産党の小池晃書記局長が加計疑惑を正面から追及。疑惑追及の手を緩めない共産党の質問は、TBSの報道番組「NEWS23」で「加計審議『速記録は破棄』で紛糾」と大きく報じられました。

 小池氏は、事業者選定の1年半前から国家戦略特区ワーキンググループの会合に加計学園関係者が出席し、発言していたにもかかわらず、「議事録に記載されていない」と指摘。初めから“加計ありき”“加計隠し”で選定が進められたことを浮き彫りにしました。

 政府は、速記録まで「削除することにしている」(梶山弘志担当相)と答弁。小池氏が「都合の悪いことは全部破棄するのか」とさらに追及すると、安倍首相はしばしば言葉を詰まらせながら「ルールに基づいて運営されている」とばかり。結局、意思決定のプロセスを示す客観的な記録は何も示されませんでした。疑惑解明には関係者の証人喚問が不可欠なことが、共産党の論戦でいっそう明らかになりました。

労働・雇用 社会保障 

「財界いいなり」切り込む

 暮らしに密着し、働く人の立場から論戦を展開したのが小池氏です。日本を代表する自動車メーカーのトヨタ自動車で起こっている脱法行為を告発。小池氏がトヨタ労働者からの聞き取りにもとづいて、有期雇用労働者が無期雇用契約への転換を求める権利を行使できないよう雇用ルールの変更を迫られている事実を突き付けると、委員会室がどよめきました。

 小池氏は、トヨタ以外にも400万人超の労働者に影響を与えかねないとして「法の抜け穴がある。ただちに法改正の決断をすべきだ」と主張。加藤勝信厚労相は「(法の)見直しに当たって今の状況も含めて検討を行っていきたい」と答えました。

 一方、暮らしの問題では、安倍政権による社会保障の連続改悪を指摘し、医療・介護の切り捨てを国民の怒りを代弁して突き付けました。

 社会保障改悪の根っこにある安倍政権の経団連いいなり姿勢に切り込み、政策の転換を迫った論戦に、「きめの細かい追及は、他の政党と比較にならない。格が違う」「この勢いで安倍政権をとことん追い詰めてほしい」「質問は、ひとつひとつ身につまされた」などの感想が党本部によせられました。

 論戦を引き締める日本共産党への期待が表れています。


政権持ち上げ・野党に横やり 与党・補完勢力の質問 緊張感ゼロ

 衆参両予算委員会で、自民、公明両党とその補完勢力は安倍政権の姿勢を再三持ち上げて擁護し、緊張感のない質疑を繰り広げるなど各党の立ち位置が鮮明になりました。

 衆院予算委で、公明党の石田祝稔議員は、安倍首相に教育の重要性を語らせ「世間の人は、総理の顔は戦争したがっていると言うが」「教育に対していかに熱心かわかった」などと褒めちぎりました(11月27日)。

 「森友」疑惑について、自民党の菅原一秀議員は、苦言を呈し追及の「ポーズ」をとったものの、疑惑の核心には踏み込みませんでした(同27日)。宮本岳志議員が疑惑を鋭く追及した直後、日本維新の会の下地幹郎衆院議員が「総理、なんでこんなに選挙に強いんですか」などと安倍首相をおだて、疑惑追及などなかったかのように場面転換をはかりました(同28日)。

 28日の同委では立憲民主党の2議員が森友学園がいかに特別扱いをされていたかを追及しました。ところがその直後に質問に立った希望の長島昭久議員は「極論を振りかざしてとにかく相手をたたけばいいという議論はしない」と横やりを入れる場面も。

 外交問題で自民党の新藤義孝議員は、「別によいしょではない」と述べつつ安倍首相の「地球儀俯瞰(ふかん)外交」を称賛(同27日)するなど政府持ちあげに終始しました。


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