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2017年11月27日(月)

主張

安倍政権と保育

切実な願いが分からないのか

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 来年4月から子どもを認可保育所(園)に入所させるための申し込みが多くの市区町村で10〜11月末にかけて行われています。安心できる保育園に希望通り子どもを預けて働けるだろうか―。毎年春、待機児童が大問題になる中、不安を抱く親たちも少なくありません。安倍晋三政権が認可保育所の本格的な増設に踏み出そうとしないことに不満と批判の声が上がり、政府・自民党内の「教育無償化」の「線引き」をめぐる議論にも国民は不信を募らせています。親たちの切実な願いを真剣に受け止め、現状打開をはかる政治の実現が重要になっています。

急がれる待機児の解消

 「認可園に入れるだろうか」「どこにも預けられなければ仕事をやめるしかない」。保育所の申し込みをすませても、入所が決まるまでは親は不安でいっぱいです。

 今年4月、認可保育所に入れなかった待機児は2万6081人で、3年連続の増加となりました。東京都の認証保育所など自治体単独事業を利用する「隠れ待機児」は7万人近くにのぼっています。待機児童が社会問題になってから約20年になりますが、事態は改善に向かうどころか、最近ますます深刻な状況になっています。

 昨年春、「保育園落ちた」の怒りのブログをきっかけに待機児問題が国会でも大きなテーマになり、安倍政権もあわてて「緊急対策」を打ち出しました。しかし、もっぱら「規制緩和」や「詰め込み」のその場しのぎの対応だったため、本格的な解消には程遠く、当初「2017年度末」を目標にした「待機児ゼロ」を断念、「20年度末」へと先のばししました。

 打開の方向が見えないのは、安倍政権のやり方が、父母の願いである認可保育所の増設を中心にすえていないからです。保育士数などの基準が認可園より低い企業主導型保育や小規模保育を増やしても、安心・安全の保育を求める親のニーズにはこたえられません。安倍首相は20年末までに32万人分の「受け皿」を確保すると掲げていますが、これまでの政策の延長では全く展望は開けません。

 総選挙後、「幼児教育無償化」をめぐり安倍政権内で、認可外保育施設の子どもは「無償化の対象外」という案が出され、国民から厳しい批判を浴びて「修正」を迫られているのも、深刻な保育・子育て環境が理解できていないからです。認可園に入れるために親がどれだけ必死に駆け回っているのか。認可外保育施設でいかに高い保育料を負担しているか―。必要な認可保育所の整備を放棄し、実情を無視した「無償化」議論をすすめても国民の願いとかみ合いません。「無償化」を再来年の消費税増税の理由にすることは許されません。

 全ての乳幼児が豊かな保育を受けられる体制をつくることとあわせ、保育料・幼稚園授業料の無償化をはかることが求められます。

認可園の整備こそ柱に

 緊急に必要なのは公立保育所をはじめとする認可園の抜本的増設です。そのために国・自治体は知恵と力を出すべきです。保育士・保育所職員の賃上げなど専門職にふさわしい処遇改善、非正規保育士の正規雇用化は不可欠です。

 来年4月に待機児問題が解決に向かうように、国と自治体は地域の保育・子育てニーズを正確に把握し対応することが急がれます。


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