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2017年11月20日(月)

主張

拡大続ける軍事費

米の言うままに兵器買うのか

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 年末の2018年度政府予算案の編成に向けた動きが本格化しています。焦点の一つは、第2次安倍政権発足後の13年度から当初予算で5年連続増えてきた軍事費です。17年度は過去最大の5兆1251億円に達しています。防衛省は18年度概算要求でさらに1300億円の上積みを狙い、5兆2551億円を計上しています。その特徴は、自衛隊の海外派兵と米軍との共同作戦を拡大・強化する戦力の増強とともに、兵器の調達も米政府からの購入額が大きく増えていることです。対米従属を深め、国民の暮らしを圧迫する歯止めなき軍拡は許されません。

大統領が首相の代弁

 今月6日、都内で開かれた日米首脳会談後の共同記者会見で、米紙の記者が安倍晋三首相に対し米国からの兵器購入や日本の防衛分担の拡大について質問しました。ところが、「首相への質問に答えさせてほしい」と割って入ったのがトランプ大統領でした。首相の代わりに大統領は「重要なのは日本の首相が(米国から)軍事装備品を大量に購入しようとしていることだ。われわれは最高の装備品を生産している」と強調しました。

 大統領の発言に続いて首相も、F35Aステルス戦闘機など具体的な兵器名を挙げ、「米国からさらに購入していく」と答えました。トランプ大統領が安倍首相に代わって日本は米国から大量の兵器を購入すると答え、首相が追認するという異様な光景でした。

 18年度概算要求では▽海外侵攻が専門の米海兵隊が運用している垂直離着陸機V22オスプレイ▽敵基地攻撃も可能なF35A▽米軍機にも対応できる新型空中給油機KC46A▽空輸によって迅速に海外展開できる機動戦闘車▽価格高騰で一時は導入中止が検討された無人偵察機グローバルホーク▽イージス艦に搭載するミサイル防衛用迎撃ミサイルSM3ブロックIIA―などが計上されています。

 しかも、その多くが、米国から機密性の高い最新鋭兵器を購入する方法である「対外有償軍事援助」(FMS)によるものです。FMSは兵器製造企業や商社とではなく、米政府と取引します。契約価格は米政府の見積もりで、支払いは前払いです。契約後に価格が高騰したり、納期が遅れたりすることも珍しくありません。

 FMSの予算額は第2次安倍政権発足後に急増し、13年度当初予算で1179億円だったのに対し、18年度概算要求では4804億円と約4倍にも達しています。概算要求には、迎撃ミサイルを地上に配備する新ミサイル防衛システム「イージス・アショア」の導入も盛り込まれていますが、要求額は年末に決定されるため、さらに増えることは避けられません。

 米国からの高額兵器の大量購入が安倍政権下での大軍拡の要因になっているのは明らかです。

暮らしの予算増やす

 日米両政府は8月の外交・軍事担当閣僚会合(2プラス2)で、来年策定する新たな軍拡計画=次期「中期防衛力整備計画」(19〜23年度)で日本の軍事力を一層強化させることで合意しています。安倍首相は17日、特別国会での所信表明演説で「わが国防衛力を強化」すると改めて宣言しました。米国に追従し、海外で戦争するための軍拡路線を転換し、暮らしの予算を増やすことが必要です。


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