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2017年9月14日(木)

非常勤を無期契約転換へ

名古屋大が雇用安定化施策

組合奮闘で筆記選抜中止

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 日本有数の国立大学のひとつ、名古屋大学が来年4月から有期契約の非常勤職員を雇用継続5年で無期契約に転換する学内ルールをつくったことが13日、本紙の調べで分かりました。5年以上働きながら今年度途中で雇用期限を迎える非常勤職員についても、無期転換をすすめる経過措置が取られます。東京大学や東北大学が3000〜5000人の非常勤職員を契約5年以内で雇い止めとする制度をつくるなか、名大が雇用を安定させる施策をとったことが注目されます。

 (田代正則)


 名大は国立大学のなかで学生数13位、運営費交付金配分額8位、科学研究費助成事業配分額5位(いずれも2016年度)と、有数の規模を誇ります。

 13年に施行された改正労働契約法では、有期契約の労働者でも契約更新を5年続けると、雇い止めの心配がない無期契約に転換できる「無期転換ルール」がつくられました。適用開始は来年4月からです。

 名大職員組合によると、04年の国立大学法人化後に採用された有期雇用の契約・パート職員1848人が来年3月末までの期限で雇用されていました。

 同組合は、希望者を無期転換するよう求める署名を2回1000人以上から集め、大学当局へ提出しました。

 今年2月に大学当局が示した当初提案は、無期転換する職員は筆記試験で選抜し、不合格者は雇い止めにするというものでした。

 組合側は、雇用の安定という労契法の趣旨に反すると主張。7月、学長や理事、部局長らで重要事項を審議する教育研究評議会で、無期化ルールが改善され、筆記試験は行わないことになりました。これまで通勤手当を支給していなかった「年俸制職員」へ支給するよう改めます。

 無期転換されたポストについている職員が退職してその後任を補充する場合は、原則、無期転換ポストになります。

 これらの施策によって大学当局は2億4000万円の支出増額を想定。本紙取材に名大の担当者は、「大学の財政は厳しいが、法の趣旨と働く方々の意向も踏まえた」と答えました。

 国立大学は法人化後、人件費など基盤的経費の国立大学運営交付金の削減が続き、非常勤職員増加の一因となっています。

 名大は現在、非常勤職員を全学共通業務や部局・プロジェクト業務などに整理し、無期転換ポスト数を集計中。組合側は、恣意(しい)的なポスト削減などが行われることがなく、無期化ルールが適正に運用されるよう注視するとしています。


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