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2017年8月23日(水)

ジュゴン訴訟 原告主張認める

米控訴裁が地裁に差し戻し

「勝訴だ」沖縄訪米団歓迎の声

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 【サンフランシスコ=池田晋】米西部サンフランシスコの連邦控訴裁判所(高裁)は21日、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設が米国の法律に違反するかどうかの是非が争われている「沖縄ジュゴン訴訟」で、沖縄県民を含む原告らの訴えを退けた2015年の連邦地裁判決を覆し、審理を地裁に差し戻す判断を下しました。当地で要請行動を展開中のオール沖縄第2次訪米団からは「勝訴だ」と歓迎の声があがりました。

 「ジュゴン訴訟」は、2003年に国防総省を相手取って提訴。米国外の事業であっても文化財への悪影響を考慮しなければならないとする国家歴史保存法(NHPA)を根拠に、絶滅危惧種ジュゴンを保護する義務があるとし、辺野古新基地の工事の一時差し止めを求めるもの。原告には、米環境団体の生物多様性センター(CBD)や日本環境法律家連盟のほか、名護市の東(ひがし)恩納(おんな)琢磨議員らが参加しています。

 15年の地裁判決は、原告には原告適格がないだけでなく、辺野古新基地建設は「政治的問題」であり、「裁判所は基地建設を禁じる権限を持っていない」として訴えを棄却していました。

 控訴裁判決は、「原告には差し止め救済を求める当事者適格があり、その訴えは政治的問題を提起するものでもない」として地裁判決を覆しました。今後、より実質的な審理が不可避とみられ、工事の進捗(しんちょく)に影響を与える可能性もあります。

保護の現状、新資料で議論へ

 オール沖縄第2次訪米団に参加する沖縄大学の桜井国俊名誉教授(環境学)の話 ジュゴン訴訟勝利の知らせが入ると、すぐに訪米団の環境チームで判決文を翻訳して、他の訪米団のメンバーや沖縄にいる原告にも連絡しました。いま、あちこちで「おめでとう」メールが飛び交っているところですよ。

 米国家歴史保存法では、他国の文化財であっても米国の行為が影響を与えるときは「考慮する」必要があるとしています。沖縄本島周辺で確認されてきたジュゴン3個体のうち、一番若い1個体がこの2年間確認されていないことが沖縄防衛局の調査で、最近わかりました。

 地裁に戻ることで、新資料に基づき、本当にジュゴンの保護が「考慮」されているといえる現状なのか、その議論ができると考えています。(サンフランシスコ=池田晋)


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