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2017年7月23日(日)

きょうの潮流

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 先月現役を引退した加藤一二三さんは、負けた将棋から多くを学んできたといいます。2500をこえる対局の中で重ねた歴代1位の1180敗。「私は負けて強くなった」と断言します▼プロ野球の野村克也さんも「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と、よく口にしていました。負けたときには必ず相応の理由がある。だから、それを分析し、克服していくことが勝ちにつながるのだと▼大相撲で歴代最多の勝ち星を重ねた白鵬も黒星がバネになってきました。若い頃は泣いて部屋に帰り、悔しくて眠れない。横綱になってからは一つの負けに死にたいと思ったときも。その負けず嫌いが隙のない相撲と安定した強さをつくり上げました▼孤高の代名詞がつくように一人横綱として長年角界を支え、他の力士の壁となって体を張ってきた自負と折れない心のタフさも。「相撲の奥深さ」をくり返すのも、つねに揺るぎない強さを求めているからでしょう▼勝利は達成感や自信につながりますが、そこに浸っていてはやがて過信や慢心が生まれます。白鵬のすごさは、未踏の頂に達してもなお高みを目指す向上心と衰えぬ闘志に▼「数々の名局を指してきたことが大きな誇りであり、喜びだった」と先の加藤さん。ライバルたちとの命を削るようなつばぜり合い、何かを極めたいと己の情熱のすべてをぶつけた日々。そして、いつも力を尽くし、正々堂々とたたかうこと。それは単なる勝ち負けをこえ、光り輝く価値あるものです。


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