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2017年7月4日(火)

来年の法律廃止で安定供給・価格ピンチ

日本の種子「守る会」設立総会開く

農業関係・生協・市民団体から200人

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(写真)消費者、農業団体が連携した「日本の種子(たね)を守る会」設立総会=3日、参院議員会館

 米、麦、大豆の種子を生産・供給する国の責任を定めた主要種子法が来年4月に廃止になることにたいし、農業関係、生協、市民団体ら200人以上が3日、参院議員会館に集まり、「日本の種子(たね)を守る会」の設立総会を開きました。

世界共通の資産が

 同法は、都道府県が新品種の開発をして地域に適した「奨励品種」として米、麦、大豆の種子を安く安定的に供給する国の義務を定めた法律です。種子の開発や普及に使う専門の圃(ほ)場を指定し交雑を防ぎ、種子の遺伝子情報を保存しています。同法が廃止されることにともない、外国企業にも遺伝子情報を供給することを規定した「種苗法」改悪もあります。

 国際的な種子の研究をしている西川芳昭龍谷大学教授が講演し、グローバル企業による種子の遺伝子情報の独占、遺伝子組み換え作物と農薬をセットにした販売、一代雑種(F1)の種子が増えていると紹介し、「種子は世界共通の資産であり、遺伝子情報を企業が囲い込むことは許されない。持続可能な種子の調達が重要だ」と訴え、自家採取の運動、食料主権を盛り込む法律の必要性を提案しました。

 設立趣意書では、「種子法廃止でコメなどの種子の価格が高騰し、また各地域で作られている特産品の種子の維持が難しくなることで、現在300品種以上あるコメの品種も大幅に減ることが危惧されている」「将来的には世界の種子市場を独占する遺伝子組み換え企業が日本の種子市場に影響を及ぼす可能性もある」とのべ、「食の安全、食料主権が脅かされる」と訴えました。

学者らも発起人に

 同会は、主要種子法の廃止法案が閣議決定されたのをうけ、2月以降国会議員会館での集会など、山田正彦元農水大臣らの有志の会が活動してきました。

 今回の設立総会にあたっては、9農協、6生協・消費者団体、学者・研究者が発起人になりました。

 同会の会長には、稲の種子を生産している茨城県水戸農協の八木岡努組合長、幹事長に生協パルシステム連合会の山本伸司前理事長(現顧問)が就任。主要種子法にかわる新たな法律の制定に向けた学習・署名運動をすることを確認しました。

 山本さんは、「主要種子法廃止により、都道府県の農場で種子の開発や保存、安く安定的な供給をする根拠法がなくなる。2、3年後には県の体制が劇的に悪化するだろう。防ぐために地方でもこの会をつくろう」と呼びかけました。

 種子法廃止は、財界や種子企業の意向をうけた安倍内閣の規制改革推進会議が昨年秋に突然廃止をうちだし、先の通常国会で問題点が噴出するなかで強行されました。日本共産党、民進党、自由党、社民党の野党4党は廃止に反対しました。

 設立総会には、日本共産党の紙智子参院議員が民進党議員とともに参加し、「こうした会の設立は力強く、私たちはうれしく感じています。みなさんと連帯して日本の種子を守るため頑張りたい」とのべ、激励あいさつしました。

 種子法の廃止議案に付帯決議で多くの疑問を指摘した与党の議員秘書も出席しました。


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