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2017年6月24日(土)

主張

「加計学園」新疑惑

憲法に基づく臨時国会の重み

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 国会開会中は野党の質問に「印象操作」などと開き直り「森友学園」や「加計学園」の疑惑をごまかし続けた安倍晋三首相が、閉幕後の記者会見では「真摯(しんし)に説明責任を果たしていく」と発言したのに、新たに明らかになった側近中の側近、萩生田光一官房副長官の疑惑については説明責任を果たさず、自民党は閉会中審査も拒否しています。共産、民進、自由、社民の野党4党は憲法53条に基づく臨時国会を開催するよう申し入れました。国会議員の4分の1以上が要求すれば臨時国会を開くのは内閣の責任であり、開催要求の重みを政府は受け止めるべきです。

「国権の最高機関」の責任

 憲法53条は、「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」とあります。臨時国会は、通常国会や特別国会とともに、「国権の最高機関」(憲法41条)である国会の重要な審議の場です。野党は週明けには安倍首相にも直接申し入れます。安倍政権は臨時国会開催を速やかに決断すべきです。

 野党が臨時国会開催要求に踏み出したのは、「森友学園」や「加計学園」の疑惑が未解明で、安倍首相も国会閉幕後の記者会見で「何か指摘があればその都度」「説明責任を果たしていく」と述べたのに、閉幕後の19日、萩生田副長官の「加計」疑惑への関与を疑わせる新文書が突き付けられても、説明責任を果たそうとしていないからです。自民党の竹下亘国対委員長は閉会中審査にさえ応じるつもりはないと明言しました。

 一部報道を機に文部科学省が20日明らかにした昨年10月21日付の「萩生田副長官ご発言概要」なる文書には、「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」「和泉補佐官からは、農水省は了解しているのに、文科省だけが怖(お)じ気(け)づいている」などとあります。「加計学園」の獣医学部開設をめぐっては、内閣府が「総理のご意向」などと言って文科省に圧力をかけたことや首相官邸の和泉洋人補佐官や木曽功内閣官房参与が働きかけていたことなどがこれまで明らかになっています。新文書は、「加計学園」の獣医学部開設が正式決定されるより3カ月近くも前に、萩生田副長官が「加計」を前提に文科省に圧力を加えていたことを示唆する重要な証拠であり、重大な疑惑として、臨時国会を開催して徹底解明すべきです。

 萩生田副長官には、すでに明らかになった文科省の文書でも、獣医学部開設を「加計」1校に絞るために、「国家戦略特区諮問会議」の決定文書に「広域的に」獣医学部がない地域に「限り」、開設を認めると書き込ませ、他校の参入を排除したなどの疑惑もあります。首相の側近、萩生田氏の関与は「加計」をめぐる疑惑の核心であり、曖昧に済ますことは許されません。

解明しない政府に代わり

 萩生田氏は新文書を「不正確」などと非難しますが、どこが違っているのか、国民の前で説明しようとさえしません。上司の菅義偉官房長官も説明責任を拒否しています。文科省と内閣府の調査でさえ食い違っているのに、検証すらしない態度は無責任です。

 行政がゆがめられた疑惑です。国民の政治不信解消のために、疑惑解明の国会の責任は重大です。


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