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2017年6月17日(土)

きょうの潮流

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 東京・上野の国立科学博物館で開かれていた「大英自然史博物館展」に、30万人以上が訪れました。動植物や化石、鉱物など、日本で初公開の貴重な標本に、大きな関心が集まりました▼自然史博物館の数は、国内ではあまり多くありません。自然史=ナチュラル・ヒストリーは博物学とも訳され、いくらかなじみがあります。大英自然史博物館も、もともとは大英博物館の別館として誕生しました▼当時の大英博物館は、図書館部門が中心でした。『資本論』を書くためにここを利用していたのがマルクスです。「僕はたいてい朝の9時から晩の7時まで大英博物館に行っている」。その勉強ぶりは語り草となっています▼『資本論』の第1章には、当時から100年以上も前に書かれた「注目に値する」匿名の著者の本が紹介されています。「労働価値説」の柱を初めて明白に述べた本です。図書館でだれにも読まれずに埋もれていたものを発掘したのでしょう▼マルクスは、地質学や進化論にも関心をもっていました。「社会構成体」という特有の用語も地層からといわれます。『資本論』では「経済的社会構成体の発展を一つの自然史過程ととらえる」と書きました。社会の発展も、自然の歩みに似て法則的という立場です▼親子連れが多かった博物館展を見たあと、思いました。いつか、私たちのたたかいも含め、社会の発展が一目でわかる展示施設がつくられてもいいのでは。興味深い歴史がつまった、人類社会の「自然史」を知るために。


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