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2017年6月8日(木)

きょうの潮流

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 私たちがふだん歩くのはアスファルトの上で、その下にある大地のことを考えることはめったにありません。しかし、そこには46億年という遠大な地球の歴史と躍動する姿が刻まれています▼気の遠くなるような年月をかけ、砂や泥、土や石が積み重なってつくられた地層。それは、地球の動きの中で形成され、消滅し、再生しています。陸や海、山もその循環の中で絶えず変化していますが、地球史では瞬間ともいえる人類がそれを感じとることは難しい▼その地球の歴史に「千葉の時代(チバニアン)」が刻まれるかもしれません。市原市にある養老渓谷の地層には約77万年前の火山灰が含まれ、地球の磁気が反転した貴重な痕跡をとどめています▼一つの大きな磁石としての性質を持っている地球は過去何度もN極とS極が逆転。最後に起きた地磁気の反転が77万年前だったとされています。市原市の地層は、それがはっきり確認できると▼地質によって区分される時代には、境目が最もよく分かる場所の名前が付けられてきました。今回、チバニアンと名付けられれば日本では初めて。国際学会に申請する研究チームは「地質学の普及や子どもの教育に大きな波及効果が期待できる」といいます▼イタリアも手を挙げており命名の行方はわかりませんが、地球の成り立ちや変動への関心が広がれば。“奇跡の星”を慈しむことは人類にとっても有益です。自然を理解し、愛着をもつことは、同じ時代を生きる命への共感の裏返しなのですから。


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