2017年5月29日(月)
いま、立憲主義の危機
日弁連 憲法施行70年シンポ
日本弁護士連合会(日弁連)は27日、東京都千代田区の弁護士会館で、憲法記念行事シンポジウム「戦後を支えてきたものは?―憲法施行70年目の立憲主義 何を守り何をめざすのか」を開催しました。
日弁連の中本和洋会長は、開会あいさつで「立憲主義の危機のなかで憲法施行70年を迎えた」とのべ、自衛隊に駆けつけ警護や米艦防護の任務が付与されたことを「違憲の安保法制の現実化だ」と批判しました。
石川健治東京大学教授が「日本国憲法と立憲主義」のテーマで基調講演。「1945年以降、君主主義と軍国主義を切り離して初めて立憲主義が実現した」と指摘しました。
また、憲法9条2項の存在が自衛隊の「正統性」を制約し、財政面で軍拡予算の歯止めになってきたと強調。9条に3項を加えて自衛隊を書き込めば「無コントロール状態になり、きわめて危険」とのべ、安倍首相の改憲論を批判しました。
第2部のリレートーク「私と憲法70年―暮らしの中の立憲主義」では、稲葉剛立教大学特任准教授や日本国際ボランティアセンターの今井高樹氏ら4人が発言。第3部では俳優の加藤剛氏が憲法前文を朗読しました。
第4部では、石川氏のほか、上野千鶴子東京大学名誉教授、石田憲千葉大学教授がパネリストとなって討論しました。