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2017年5月28日(日)

きょうの潮流

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 政財界の疑惑を取材していると出所不明の、いわゆる怪文書に出くわすことがあります。企業の派閥抗争や政治家の利権争いなどに絡んで誹謗(ひぼう)中傷を書き連ねた内容が目立ちます。しかし、不正を告発する真面目な目的のものもあり、これに端を発して明るみに出た疑獄事件も▼「趣味と実益」を兼ねて怪文書を集めているうちに膨大な数になり、怪文書の「図書館」を開設した元週刊誌記者がいます。怪文書についての著作も残しており、それによると怪文書の定義は第一に「差出人不明」であること▼古くからあり、道の辻(つじ)など人の集まる場所に、立て札や貼り紙というかたちでやられ「落書(らくしょ)」と呼ばれました。中世の二条河原落書は有名です▼いま、菅義偉官房長官ら政権中枢が「怪文書」だと攻撃している文書があります。安倍首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園の獣医学部新設をめぐり、内閣府が文部科学省に「総理のご意向」と要求したと記された同省の内部文書▼前川喜平前事務次官が会見で「本物です」と認め、「あったものをなかったものとはできない」と語りました。当事者が「次官室で報告、相談を受けた際に受け取った文書に間違いない」と明言しているのに、どこが「怪文書」なのか▼都合の悪い文書や証言が出てくると調査もせずに“知らぬ存ぜぬ”と白を切る。民主主義と対極に位置する危うさを感じます。森友疑惑と同様の構図から見えてくるのは、政治的モラルがかけらもなく崩壊した“怪政権”の姿です。


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