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2017年4月20日(木)

介護保険等改悪案 堀内氏の反対討論

衆院本会議

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 18日の衆院本会議で日本共産党の堀内照文議員が行った介護保険等改悪案の反対討論の要旨は次の通りです。

 本法案は、31本もの法律を束ね、その対象と内容は高齢者、障害児・者など多岐にわたり、地域の福祉のあり方を大きく変えるものです。にもかかわらず地方公聴会も行わず、関係者の声もまともに聞かずに、22時間の審議で打ち切って与党と維新の多数で採決を強行しました。

 自民党は、その理由に、民進党議員が森友問題で総理に質問したことを挙げました。質問内容をもって質疑打ち切りがまかり通れば、与党の許容する範囲でしか質問ができないことになり、国会の自殺行為です。暴挙というほかなく、断じて認められません。

 反対の第一は、介護保険利用者に新たな負担増と給付削減をもたらすことです。一昨年8月、一部の所得や預貯金のある人に利用料2割負担を強いて、施設入所時の食費、居住費補助を打ち切ったばかりです。

 政府は、2割負担導入後も受給者数の伸びに変化がなく影響はないとして、対象者が負担に耐えられるかの検討もなく3割負担の導入を決めました。

 しかし、各種調査でも特養ホームの退所や利用料の滞納が報告されています。介護サービスの利用を減らし、生活費をぎりぎりまで切り詰めるなど家族の生活も大きく圧迫しています。「蓄えがなくなったら、妻を施設から退所させて一緒に死のうと思う」とまで追い込まれています。

 審議を通じ、厚労相自身が利用抑制を認めざるをえませんでした。2割負担は即刻廃止し、3割負担を撤回すべきです。高い保険料を払い続けても介護サービスを使えない、詐欺とも批判される状態に拍車をかけるのは絶対認められません。

 自立支援、重度化防止のインセンティブ付与として、市町村に交付金を支給するとしています。これは介護度軽減、介護給付費の低減を自治体に競わせ、介護保険「卒業」強要や介護認定厳格化などに駆り立てる圧力となりかねません。

 サービスを使わない自立を強要し、介護保険からの「卒業」に追い立てることがあってはなりません。必要な介護を利用できず苦しむ高齢者、家族をこれ以上増やすことは、到底許されません。

 第二に、「我が事・丸ごと」地域共生社会の名のもとに、地域住民等の支え合いをまず求め、高齢、障害、子どもなどの福祉サービスの包括化への第一歩を踏み出そうとしていることは重大です。

 障害児・者と高齢者への支援を同一事業所で行う共生型サービスを創設するとしています。これは、介護保険優先原則を堅持するもので、サービス打ち切り・縮小、定率負担を課すなど、高齢障害者の生活や生存を脅かしており即刻廃止すべきです。

 公的財源の保障もなく、地域の支えあいや社会福祉法人による「慈善的」事業に肩代わりを求めることは断じて許されません。

 いま必要なことは、国民の生存権を保障し、そのための社会保障の向上、増進への国の責務を定めた憲法25条にもとづく公的制度の拡充です。


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