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2017年4月6日(木)

主張

学習指導要領改定

統制許さず、自主的な学びを

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 文部科学省が小中学校の教育内容の基準を示す学習指導要領と幼稚園の教育要領を改定しました。2006年の教育基本法改悪で加えた「愛国心」なども含む「教育の目標」にそって教育をおこなわせようというもので、学校現場をいっそう縛ろうとする中身です。

国が「資質・能力」定める

 学習指導要領の全面的な改定は9年ぶりです。学習内容を中心に示していたこれまでとは大きく変わり、国として子どもたちに身につけさせる「資質・能力」を定め、その達成を中心にすえました。

 その子どもがどんな「資質・能力」を形成するかは、「どのような人間になるか」という人間性や人格の自由の問題で、子どもを中心に国民自ら考えることです。国家権力が上から「こういう人間になれ」と決めて押し付けるのは、憲法の保障する「個人の尊厳」に反します。そのために授業方法や評価の方法まで細かく規定しているのは、学習内容の大まかな基準という指導要領の性格を逸脱する大きな問題です。

 さらに、幼稚園に「君が代」を、中学校の体育に旧日本軍の格闘術で自衛隊の訓練に使われている「銃剣道」を、加えたことなども国民の不安を呼んでいます。

 こうなった背景には、「教育勅語」を教材として容認し、“戦争する国”のための教育を進めたい安倍晋三政権や、国際的な利潤追求のための「人材育成」に教育を利用したい財界の狙いがあります。政権や財界の意図で子どもの成長をゆがめてはなりません。

 新学習指導要領は「主体的・対話的で深い学び」を強調しました。暗記型でない豊かな学びはぜひとも必要です。しかし国が実際やっていることはその正反対ではないでしょうか。

 すでに特定の授業の型が「これが“深い学び”だ」と押し付けられ各地で混乱がおきています。全国学力テストは点数対策のための反復練習など授業の画一化に拍車をかけてきました。教員は過労死ラインで働いても授業準備の時間が確保できない「多忙化」に悩んでいます。英語教育の知識のない小学校担任に英語を教えさせることは負担をいっそう重くします。

 子どもたちは現在でも小学校の1年生から毎日5時間授業でくたくたなのに、小学校3〜6年の授業時間数が週あたり1時間増やされます。覚えなければならない漢字や英単語も増え、「つめこみ」が深刻になる恐れがあります。

 深い学びというなら、すべての子どもが大事なことがよく分かるまで学べるように、教員の多忙化を解消するなどの条件整備、学習内容を精選し、創意工夫した授業ができるような教員の自主性の保障こそおこなうべきです。

憲法を土台に共同を広げ

 憲法は、教育内容への国の関与のできる限りの抑制を求め、学校・教員の自主性を保障しています。新学習指導要領も「長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、児童や地域の現状や課題を捉え」と、学校の創意の必要性を認めざるを得ませんでした。

 新学習指導要領は小学校で2020年度から、中学校で21年度から全面実施されます。新指導要領による統制を許さず、「いい授業」を子どもに届けるための国民的な共同を広げましょう。


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