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2017年3月29日(水)

きょうの潮流

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 「サタンコ」。中学時代、バスケットボール部の顧問だった先生は“悪魔の子”と呼ばれ、生徒から恐れられていました▼ミスをしたり、やる気のみえない部員にはビンタの嵐。しかし部が強かったこともあって周りは黙認、そんなやり方がまかり通っていました。昔のことを本紙の「部活って何」を読んで思い出しました▼部そのものが、自分の独占物のようになっていた。連載に出てきた中学校教員は反省を込めて語っています。部活動の顧問が陥りやすい支配欲や全能感。それは成長の妨げとともに、ときに子どもの命にもかかわる危うさを秘めています▼安全登山の講習会で雪崩に遭い、栃木の高校生ら8人が亡くなりました。眠っているような息子の顔を何度もなでる母、どんなに寒かっただろうと泣きむせぶ父。現場から伝わる、つらくやりきれない悲しみに胸がつぶれます▼多くの部員が巻き込まれた大田原高の山岳部は有数の強豪で、登山経験豊かな顧問も「山のエキスパート」として知られていました。今回もベテランの顧問たちが現場を引率しながら、雪崩や大雪注意報が出され悪天候で登山を中止するなか、予定外の訓練を決行したといいます▼引率教員らの判断や安全管理、主催する講習会を現場任せにしていた県高体連の責任をはじめ、惨事の解明はこれからです。そこには実績や経験第一の指導になっていなかったか、という部活動のあり方も問われてきます。将来を突然絶たれた高校生の無念をくり返さないためにも。


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