2017年3月22日(水)
ODAで市民社会を分断
井上議員 モザンビーク事業中止迫る
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日本共産党の井上哲士議員は21日の参院政府開発援助(ODA)特別委員会で、アフリカ・モザンビークでODAが現地市民社会を分断するために使われている問題を取り上げ、事業の中止を迫りました。
日本が同国で進めるODA事業「プロサバンナ」を、現地の農民組織などは新たな土地収奪につながると批判しています。
さらに昨年、反対組織の影響力を弱めるための手引「プロサバンナ・コミュニケーション戦略書」がODA予算でつくられていたことが発覚。井上氏の質問に国際協力機構(JICA)の加藤宏理事は、「戦略書」策定について現地コンサルタントと約285万円で契約したと認める一方、「JICAの見解を示すものではない」と釈明しました。
井上氏は、日本大使館主催の旅行に基づいて書かれたとされる記事が現地メディアに載り、反対派を名指しで批判していることを示し「『戦略書』に基づく市民分断だ」と強調。外務省の山田滝雄国際協力局長は、昨年12月に大使館主催でプレスツアーを行ったと認めました。
井上氏は、JICAがさらに、反対派攻撃の中心人物が最高責任者を務める現地NGOとプロサバンナ推進のための事業(「コミュニティー・コンサルテーション」)のコンサルタント契約を結んだことを批判。加藤氏は契約額が23万ドル(約2600万円)に上ることを明らかにしました。一方、反対派市民の存在を理由に、モザンビーク政府に推進事業の延期を申し入れたと述べました。