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2017年2月28日(火)

主張

自民党運動方針案

改憲への安倍氏の執念許さず

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 自民党が3月5日に開く党大会の運動方針案で、今年が憲法施行から70年にあたることにふれ、「憲法改正原案の発議に向けて具体的な歩みを進める」と、改憲の実現に向け、国会での改憲案づくりを進める異常な決意を鮮明にしようとしています。安倍晋三首相(自民党総裁)の強い意向で盛り込まれたといわれ、改憲実現への強い執念を浮き彫りにしています。改憲案の発議は国会で行い、国民投票にかけることになっており、首相の意向で「改憲の発議」をあおるのは、三権分立のうえでも重大です。安倍政権の改憲に反対の声を広げることが重要です。

国会の憲法論議を指図

 安倍首相はもともと自民党内でも異常な右翼・改憲論者ですが、最近では昨年の参院選挙で衆院に続き参院でも改憲を支持する議員が発議に必要な3分の2以上を占めたといわれることを背景に、「いかにわが党の案(自民党の改憲草案)をベースにしながら、3分の2を構築していくか、これがまさに政治の技術と言っていい」などと、改憲への姿勢を前のめりさせています。参院選後の昨年の国会では、自民党の改憲に取り組む体制を刷新し、衆参に改憲案づくりのために設けられた憲法審査会の審議を再開しました。

 今年の施政方針演説では、「憲法施行70年の節目に当たり…(改憲)案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか」と、行政府の責任者が立法府の審議を指図する、まさに言語道断としか言えないあからさまな発言までしています。

 自民党大会の運動方針案に、改憲発議に向けて「具体的な歩みを進める」とより強い表現で、改憲案づくりを盛り込んだのもその表れです。自民党の意向で昨年から憲法審査会は再開されましたが、もともと国民の多数が改憲を望んでいるわけでもないのに改憲案づくりが順調に進むわけはありません。安倍首相のもとでの改憲に反対している野党はもちろん、改憲には反対していない公明や日本維新なども具体的な中身について足並みはそろわず、改憲案づくりは進んでいません。安倍首相が異常な檄(げき)を飛ばすのも、首相の思惑通り改憲案づくりが進んでいないことへのあせりをしめすものです。

 改憲をあおり立てる安倍首相自身、現行憲法のどこがどう不都合なのか、改憲というが憲法のどこを改めればいいのかといったことはほとんど口にしません。本音では憲法前文と9条を改定して大手を振って「戦争できる国」にするのが狙いですが、国民の批判を恐れそれはごまかしています。せいぜいが「日本の憲法は占領軍に押し付けられた」とレッテル貼りをしたうえ、「改正内容はよく話し合って」というぐらいで、憲法学者からは、「憲法改正の自己目的化」だとか「『心情』にもとづく現憲法の峻拒(しゅんきょ)(拒むこと)」だという批判がでるほどです。

世界に誇る憲法を生かして

 公布から70年もたつ憲法を「押し付け」などというのは現実に合わないだけでなく、日本国憲法が平和原則の点でも豊かな基本的人権の規定でも、世界に誇ることができる優れた内容であるのは明らかです。改憲のためだけの改憲案づくりではなく、世界に誇る憲法を国民の手でしっかりと守り生かすことこそ、私たちの責任です。


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