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2017年1月31日(火)

きょうの潮流

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 「無告の民」。自分の苦しみを訴えるところがない人びと。ノンフィクション作家の沖藤典子さんは夫を介護する老妻をこんな言葉で表します▼長年の夫婦間の葛藤、夫を看取(みと)るまでの妻の悩み、介護の現実…。連れ添ってきた夫を介護する老妻の胸の内は「闇鍋」みたいだと。過去の怒りや恨み。おりのように積もった感情に追い打ちをかけたのは、良妻であることを周りから求められたことだといいます▼誰の人生にも訪れる介護ですが、向き合い方、苦労や悩みはひとそれぞれ。そんな介護の体験や思いを、各分野の人たちが本紙日曜版に語った「私と介護」が本になりました▼「おかんを笑かしに行く気持ち」で施設に通ったという漫才師の島田洋七さん。認知症の父親から寛容さや相手の気持ちに寄り添う人として大切なことを教わったと話す映画監督の野中真理子さん。先の沖藤さんも「心を鍛えられ、命の尊さを再認識します」▼介護現場への不安や不満も大きい。家族をサポートする体制をもっと、国は介護の予算を手厚くして、介護や看取りのために安心して休みをとれる社会に―。介護の仕事に携わる人たちの待遇改善を求める声も▼人が人を支える。人間らしくやりがいある仕事なのに現場では人手不足が慢性化しています。介護福祉士を養成する学校も昨年度は定員の5割を切りました。誰もが当たり前に介護ができ、人生の学び場で働き手が充実してこそ、人が「生き抜く支え」(映画監督・新藤風さん)になるはずです。


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