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2017年1月23日(月)

きょうの潮流

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 紅潮した頬を伝わる一筋の涙に万感の思いがこもりました。「感謝しかない」。初優勝が決まった喜び、苦節15年の歩み、これまで支えてくれた人たち…。さまざまな感情がこみ上げて▼新入幕から73場所、大関昇進から31場所目。ついに稀勢の里が優勝杯を抱きました。栄冠とともに名を連ねた遅咲きの記録。そこに、大器といわれながら長く苦しい足踏みの道のりが投影されています▼15歳で角界入り。新十両も新入幕も貴乃花に次ぐ若さで果たした出世ぶりは、亡くなった師匠の鳴戸親方(元横綱・隆の里)が付けたしこ名にも。優勝や横綱に最も近い日本人力士として期待を一身に集めながら何度も好機を逃してきました▼ライバルたちに次々と先を越されていく焦りや重圧。そして自分自身のふがいなさ。しかし、愚直に前へ前へ出る相撲は変わりませんでした。その一途(いちず)な真面目さはたたき上げの相撲人生にも表れています▼稽古の大事さとともに師匠から教わったのは日常の生活に学ぶこと。あいさつやゴミ拾い、ちゃんこづくり。すべてが土俵につながってくると。初土俵から15年間、本場所の土俵に上がらなかったのは1日だけ。いつも相撲と真剣に向き合い、一番一番、一生懸命に積み重ねてきました▼つねに壁となり、叱咤(しった)激励してきた白鵬も「強い大関がいてくれて良かった。おめでとう」とたたえます。これまで大相撲を引っ張ってきたモンゴル勢とともに、これからは最高位として全力士のお手本に。自分の相撲を信じて。


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