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2017年1月22日(日)

きょうの潮流

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 「ファースト」という言葉をこの頃よく耳にします。都民やアスリートを上に付けたりして。意味するところは「第一にそれを考える」。言われる方は悪い気はしませんが、使う側の意図も気になります▼「アメリカ・ファースト」。米国第一を前面に押し出したドナルド・トランプ氏が第45代米大統領に就任しました。首都ワシントンから権力を国民に戻す、雇用や国境、富を取り戻す、米国を再び偉大な国にする、と▼彼の支持者の多くは忘れられた人たちと呼ばれます。失業や貧困、荒廃する地域や家庭…。大国の繁栄から取り残され、経済格差や社会的な差別に苦しめられてきた人々の怒り。それが既成政治からの転換を求めたのです▼華やかな就任式。一部の熱狂はあったものの、オバマ大統領の誕生時と比べて様相は一変しました。市民や識者による反発や抗議のデモ、式典に欠席した大勢の議員。対立や憎悪を選挙中からかき立ててきたトランプ氏の言動は米社会に新たな溝をつくっています▼新大統領が打ち出す米国第一の先行きは不透明です。草の根で息づいてきた米国の自由や民主主義の伝統は今後どうなっていくのか。世界も内向きで国益だけを追求する外交姿勢に警戒感を強めています▼そのなかにあって、日米同盟を「不変の原則」だと強調する安倍首相。これまでも、今も、これからも、たとえ何があっても付き従う。自覚も主体性も欠いた日本の首相の「ファースト」。その上に国民が付かないことだけはたしかです。


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