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2016年12月8日(木)

きょうの潮流

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 埼玉と隣接する多摩北部の武蔵村山市。閑静な住宅地の一角に今年9月末、新しい資料館が開館しました。展示されているのは「東京陸軍少年飛行兵学校(少飛)」の関連資料。先の大戦末まで、この地域にありました▼兵器学をはじめとする教科書や通知表、日誌や制服。並んだ資料から当時の学生生活の一端がうかがえます。入校した10代の少年たちはここで“負けじ魂をもって目標にまっしぐらに突進し、最後まで屈しない少飛魂”をたたき込まれました▼他の分校と合わせた少飛の卒業生はおよそ4万6千人。そのうち1割は戦死したとされています。太平洋戦争では彼らは若くして陸軍航空の中心となり、末期には特攻隊員として駆り出されていきました▼国の命令によって大空に飛び立ち、死んでいった若者たち。それを忘れまいと資料館の設立に尽力したのが少飛の職員だった池谷(いけや)タカさん(90歳)でした。市に土地を寄付し、元少年飛行兵らと建設を要望しました▼「学校の歴史を後世に残し、命の大切さを伝えたい」。戦後も少飛の関係者と交流を続けてきた池谷さんの思いです。元少年飛行兵の一人も「生あるかぎり、戦争を語り続けていきたい。それが生き残った私の使命」▼太平洋戦争の開戦から75年。今年もまた戦争の悲惨さや命の尊さを伝える試みがさまざまな場所や方法で。それは、歴史の歯車を逆戻りさせようとする政権への危機感とともに、いつまでも平和を守り続けるという国民の意思の表れでもあるでしょう。


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