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2016年11月15日(火)

きょうの潮流

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 「学業を疎害する」「疾病障害を受けしむる」―。いまから100年以上も前の1907年、全国中学校長会が、運動部活動の弊害を指摘していたそうです(『運動部活動の教育学入門』神谷拓著)▼そこでは「勝敗に重きを置くが為(た)め公徳を傷害し…」と勝利至上主義にかかわる問題まで起きていました。まるで現代を見ているかのような実情に、がくぜんとさせられます▼本紙の「シリーズ 部活って何」でも、いまの部活の実相が描かれています。本来、スポーツの楽しさを実感し、みずから努力し成長できる喜び、仲間ができて自治能力をはぐくむ場ながら、過熱化が多くのひずみを生んでいます▼長時間練習で疲れ果て、指導者の暴言、暴力に苦しむ子どもたちも少なくありません。教師の側の負担も見逃せません。「部活未亡人」なる言葉があると聞きました。教師である夫が部活で残業を強いられ、土、日も休むことなく試合や指導に追われる現実。家庭にいる間もない、過労死につながる実態をそのままにはできません▼文科省も部活の休養日を設けることなどの改善策を打ち出しました。しかし、過熱する要因、学校における部活の位置づけなどに切り込むことなしには、掛け声だけに終わる可能性もあります▼問題の根はどこにあるのか。どんな解決の道があるのか。絡み合った糸を解きほぐしつつ、あるべき姿を探求する。本紙のシリーズもその一端を照らすことができれば。100年にわたる宿題をそのままにはできません。


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