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2016年11月8日(火)

きょうの潮流

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 髪をお団子にまとめ上げ、ショートパンツのポケットに親指を突っ込み、すっくと立つ少女。決然と前を向く姿からは自我の目覚めが漂います。自己を主張する若者のりりしさのような▼代々木にある日本共産党の本部ビルの玄関ホールに、いま等身大の彫刻が飾られています。題名は「15歳の夏」。埼玉・所沢市にアトリエをもつ藤原秀法さん(79)が寄贈したもの。以前、県知事賞にも選ばれた作品です▼モデルは孫。彫刻家のリアルさとともに、いとおしさが伝わります。藤原さんは中学校の美術教師を長く務めた後、創作活動に専念。同じ教職だった妻・絢子さんの支えもあり、人間愛あふれる作品を生み出してきました▼平和美術展や日本アンデパンダン展にも毎年出品。最近も個展を開きました。絢子さんは「憲法9条を守りたい、いつも教え子を戦場に送るなと言ってきた夫の作品が党本部に置かれ、本人もこれ以上うれしいことはないと思う」▼玄関ホールには戦前の洋画家、川上律江の絵画も展示されています。国家権力の弾圧によって検挙された家族や仲間に会いにきた市民と警官を対比した「面会」。19歳のときに制作した「農夫の家族」はこの年の帝展に初出品し、初入選しました▼30歳の若さで亡くなった彼女は労働者や農民の生活をテーマにした作品を多く残しました。時代や表現の仕方に違いはあれど、それをこえ、ともに人間の生きる姿や尊厳が心に響いてきます。深まる秋を身近にある“ギャラリー”が彩ります。


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