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2016年10月29日(土)

論戦ハイライト

衆院TPP特委で畠山氏追及

「助け合いの共済壊す」

石原担当相 制度変更の危険認める

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 仲間同士・団体の構成員同士の助け合いの仕組み「共済」を、環太平洋連携協定(TPP)で米国企業に差し出すのか―。畠山和也議員は28日の衆院TPP特別委員会で、国内制度を米国本位にゆがめるTPPの危険を追及しました。

 共済は保険業法の適用を受けていますが、特例扱いの小規模な自主共済や、業法の対象外の制度共済(JA共済など)も存在します。

米国からの要求

 畠山氏は、共済の原点は「助け合い」であり、営利目的や不特定多数を対象とした保険とは性格が異なると指摘。にもかかわらずTPPでは、共済が金融サービスの例外規定や留保事項に入っていないとし、米国や在日米国商工会議所が、「共済等を金融庁監督下の外資系保険会社と同じ監督下に置く義務がある」などと繰り返し求めてきたことを明らかにしました。

 畠山 こうした要求が背景にあって、TPP協定で、共済は留保や例外とされていないのではないか。

 石原伸晃TPP担当相 TPP協定に共済の記述はない。議論にも上がらなかったと理解している。

 交渉で議論にならなかったから共済制度が変えられることはないと言い張る政府に、畠山氏は「TPPには制度をゆがめる仕組みがちりばめられている」と反論。その仕組みを検証しました。

 畠山 TPPの金融サービスに関する小委員会で、日本の共済が対象にならないといえるのか。

 担当相 小委員会で問題にあげることはできる。国益に反する制度変更は行わない。

 畠山 「規制の整合性」という、各締約国がルールを一致させるための小委員会もつくられる。ここでも取り上げられないということはないはずだ。

 担当相 取り上げることは理論的にはあり得る。

2国間協議でも

 TPPの各小委員会で共済がやり玉にあげられる危険があることを政府に認めさせた畠山氏。日米の2国間協議(サイドレター方式)によっても、共済制度が掘り崩される恐れがあることを指摘しました。政府はこれまで、サイドレターには法的拘束力がないと説明してきました。

 畠山氏は石原氏に対し、政府が米国に送った「2016年度外国貿易障壁報告書に対する日本政府のコメント」の冒頭の一文を読み上げるよう要求。そこには、TPPについて「協定や協定に関連して作成された文書(いわゆる『サイドレター』)に従って着実に実施していく」と明確に書かれています。

 畠山 TPPの交渉はもちろんだが、並行交渉やサイドレターなどで実施されることがあり得るということだ。共済制度をきちんと守れるのか。

 安倍晋三首相 TPP協定に共済特有の規定はない。国の方針は堅持される。

 畠山氏は「二重三重に国内の制度を変える仕組みを持つのがTPPだ。中身も実行の仕方も容認できない」と批判。問題解明にさらなる徹底審議が必要だと主張しました。


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