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2016年10月28日(金)

きょうの潮流

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 ゆったりと流れる北上川のほとりにある小高い丘。その上の小さな花壇には季節の花が咲き、チョウやハチが舞います。丘の向こうには、宮城・石巻市立大川小学校がありました▼東日本大震災のとき、小学校の子どもたちはその丘に向かい、津波にのみ込まれました。いま丘の花壇には夏になると、たくさんのヒマワリが大きな花を咲かせます。「また会えたね」「ずっとずっと、いっしょだよ」。わが子を失った母親が植えたものです▼彼女たちの心の内は震災翌年に出版された絵本『ひまわりのおか』に描かれています。児童74人と10人の教職員が犠牲となった大川小をめぐる訴訟の判決がありました。仙台地裁は津波の襲来を予見できたとして、学校側の過失を認めました▼なぜ、学校からすぐに避難できる裏山に逃げなかったのか。そのときの判断は―。遺族の思いは真相の究明でした。しかし学校や市の教育委員会の説明は二転三転。聞き取り調査のメモが捨てられるなど疑問と不信が募りました▼第三者委の結論にも納得できず、自分たちが当事者になって事実を掘り起こそうと提訴に。「未来の命につながる」と判決を評価する一方で、「真相は明らかになっていない」という遺族も▼悲劇のままで終わらせたくない、二度とくり返してはならない。遺族や学校、自治体も思いは同じはず。実際、石巻市では学校の防災に教訓を生かすとりくみが始まっています。たくさんの笑顔が咲く「ひまわりのおか」。救えた命を忘れないで、と。


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