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2016年10月17日(月)

きょうの潮流

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 あれは25年前のプロ野球日本シリーズでした。当時黄金期だった西武を相手に広島が大健闘。最終戦までもつれ込んだ激戦を取材したとき広島ファンから聞いた言葉をいまだに覚えています▼「あの赤いヘルメットには、わしらの熱い血潮が流れとるんじゃ」。まだ原爆ドームの向かいにあった広島市民球場。満員の声援を背に必死にプレーする生え抜きの選手たち。この球団がもつ特別な雰囲気にふれた気がしました▼70年代後半から赤ヘル旋風が球界を席巻した頃、中心選手の多くを輩出した名スカウトがいました。木庭教(きにわさとし)さんです。一年中各地を回り選手を発掘。その選手たちを育て上げていく姿勢は今に引き継がれています▼木庭さんは19歳のとき爆心地から1キロほどの路上で被爆。幸い命は助かりましたが、そのとき見た地獄絵図は生涯忘れられませんでした。40年以上も通った高校野球の甲子園大会。日の丸掲揚、君が代斉唱の際に、木庭さんはいつもスタンドを立ち去りました▼「必ず起立を求めるでしょう。あれが嫌いでね」。本紙に語っていました。戦争の時代、共産党は危険思想と見られていたが「いまの危険思想の持ち主は国民をアメリカの戦争に協力させようとする自民党ですよ」とも▼今度は32年ぶりの日本一をかけて日本ハムとたたかう広島。反戦平和と育成という市民球団の歩みを体現してきた名スカウトの姿はもうありません。しかし、彼らや広島市民が築いてきた礎の上に、いま新たな歴史がつくられています。


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